弁護士報酬についての考え方

 

目次
はじめに
弁護士報酬体系の仕組み
着手金
報酬金
実費
法律相談料
顧問料
預かり金
まとめ 

 

■ はじめに

債権回収の必要が今現在生じている場合、自分の力でなんとか債権を回収できるのであれば問題ありませんが、なかなかそう上手くいくことは多くありません。多くの場合では、債権回収を実現するには個人ではどうすることもできない複雑な問題が絡むことになります。
このような場合、弁護士に依頼して債権回収を実行することとなりますが、多くの方にとって、弁護士への依頼は費用負担が大きいとのイメージが先行しています。そのため、そういった先行したイメージによって弁護士依頼を躊躇してしまい、結果として債権回収が不可能になってしまうことも少なくありません。
債権回収は早期かつ迅速に行うことが成功の秘訣なため、弁護士に依頼してどれほど費用がかかるのかを確認し、弁護士に依頼をして債権回収をすべきなのかを判断するにあたっての基準としてもらえればと思います。

■ 弁護士報酬体系の仕組み

弁護士に対して支払う報酬体系は独自のものとなっていますので、普段弁護士との関わりが少ない方には難しい点も多いと感じます。そのため、まずは弁護士報酬の体系について解説します。

着手金

着手金とは、弁護士に対して案件を依頼する場合に支払う金銭です。
この着手金は依頼受任に対して支払われるため、案件が成功するか失敗するかどうかに関わりはなく、仮に案件が失敗したとしても返金されることはありません。
弁護士への報酬が案件の成功時のみ支払われるという仕組みになっていると、案件の処理には時間や労力を使うにもかかわらず、失敗してしまった場合は一切費やした時間や労力の対価を受け取れなくなってしまいます。
この場合、弁護士は案件失敗時に生じる徒労のリスクを避けるために失敗可能性のある案件は受任しない選択をとってしまい、結果的に多くの人が弁護士へ依頼する機会を失ってしまうことになります。そういった事態を避けるために、依頼受任の対価として、着手金というものが設定されています。
着手金が実際にどれほどの金額になるかについては、回収すべき債権の額や案件の複雑さ、労力の程度で幅があります。
日弁連が作成している弁護士報酬アンケートによると、300万円の貸金債権の回収において着手金額で最も多いのは20万円の43.9%となっており、全体的に見ると着手金15万円〜20万円が約70%で占めています。
もちろん、回収を依頼する債権の額や、回収の難易度によっても着手金は変動する為、必ずこの金額になるというものではありません。とはいえ、債権回収に早期段階で取り組めば証拠が散逸する前に債権回収に望める為、債権回収の難易度も下がり、着手金の低下も見込めます。そういった意味でも債権回収について早期かつ迅速に取り組むというのは重要と言えます。 

報酬金

報酬金とは、依頼した案件が成功した結果債権回収が実現できた場合に、支払うことになる金銭のことを言います。この報酬金は依頼した案件が全部成功した時はもちろん、一部しか成功しなかった場合も、成功した割合に応じて発生することになります。なお、全く成功しなかった場合には支払う必要はありません。
報酬金も着手金同様、具体的に固定化された金額が設定されているわけではなく、債権の額や回収の難易度によって相当程度の幅があることになります。
弁護士報酬アンケートによると、300万円の貸金債権回収であれば30万円の報酬金設定の割合が50.2%となっています。全体的に見ると、20万円〜30万円の報酬金が約69%を占めています。
他方、債権回収を実現する方法は多種多様なものがあり、訴訟を通じて回収する場合や交渉を通じて回収する場合もあるため、債権回収の方法によっては、より安い報酬金となる可能性もあります。 

実費

実費とは、案件を処理していくにあたって発生する支出費用のことを言います。
例えば、裁判を通じて債権回収を行う場合は、裁判所に収める印紙代や予納郵券、記録謄写費用などがあります。また案件によっては契約書が真正であること証明するための鑑定料なども実費として必要となります。
さらに、債権回収のために提起した訴訟を管轄する裁判所が遠方になったりすると、遠方への裁判所への出張費用も発生します。
実費のうち印紙代などは、ある程度事前に把握することもできますが、鑑定料や出張費用については弁護士に依頼する段階では予測することができないこともあります。特に、契約の成立不成立レベルで債務者ともめているような案件においては、鑑定を通じて証拠を作成しなければならないため、鑑定料等の実費が高額になる可能性もありえます。
こういった予想外の実費の発生は、依頼者にとっては不安事項となるため、弁護士に債権回収を依頼する前に法律相談を通して、具体的な展望を示してもらった上で、予想外の出費発生の可能性について意見をもらうことも必要と言えます。
特に、債務者との争いが深刻となっている場合、債務者の所在地が遠方にある場合などには意見をもらう必要が高いと言えます。

法律相談料

法律相談料とは、具体的に案件を弁護士に依頼する前に、案件の展望などの見通しをアドバイスしてもらうことについて発生する金銭のことを言います。
債権回収の場合、自分の債権が回収できそうかどうか、どれくらいの期間で回収できそうか、どれくらいの費用がかかることになりそうかの相談についても、この法律相談の中でアドバイスを受けることとなります。
債権回収を迅速に行えるかどうかは、弁護士一人一人の経験やスキルによるところも大きいため、不必要な時間と費用を削減し効率的な債権回収を実現するには、法律相談を通じて信頼できる弁護士に出会うことが重要です。
そのため、弁護士に依頼して債権回収を行おうとしている場合はもちろん、事前の法律相談を通じて依頼する弁護士を吟味する必要がありますし、弁護士への依頼を考えていなくても、債権回収の展望について具体的に知ることができるため、法律相談は積極的に利用すべきシステムと言えます。
法律相談は基本的にタイムチャージ制が採用されていることが多いです。この場合、1時間の相談あたり〜円と言う形で、支払うべき金額が決定されます。弁護士報酬アンケートによると1時間1万円の相談料設定が55.7%で一番多く、全体でみると5000円〜1万円の相談料が約92%の割合を占めています。
タイムチャージ制という点から考えると、相談者は必要事項あらかじめ準備した上で、法律相談に臨んだ方が、無駄に時間を浪費することなく効果的にアドバイスを受けることができます。
また、弁護士がより具体的にアドバイスできるように債権の存在を示す証拠となるような資料を持参することも必要と考えられます。

顧問料

債権回収を依頼する依頼者が企業などの法人である場合、債権回収の可能性が今後定期的に発生するといえそうであるならば、弁護士との間で顧問契約を締結することも考えられます。
顧問契約とは、弁護士が顧問先に対して月々一定額をもらう代わりに、法的なアドバイスや契約書のチェックを行う内容の契約を言います。
何度も法律相談を行い、その度に相談料を支払うよりは、月額一定額を支払うことにより安定的にアドバイスを受けられるという点で法人にとってはメリットがあります。
もっとも、訴訟などを行う場合は別途報酬が発生することも多いので、顧問契約を通じて受けられるサービスの内容は弁護士に確認することが必要です。
顧問契約料について、弁護士報酬アンケートによると5万円の契約料が32.2%でもっとも多く、その次に3万円で30.3%となっています。顧問契約料については弁護士の専門性や経験の豊富さによって金額が大きく変動するので、5万円ないし3万円を一つの基準として考えた上で、実際に確認し、検討することが重要と言えます。

預かり金

弁護士に債権回収を依頼し弁護士が債権回収に成功した場合、回収した債権は直接依頼者に支払われるわけではなく、一旦弁護士の下に渡され、預かり金という形で管理されます。
その上で、発生した報酬金や実費を計算し、請求書を作成した上で、預かり金から請求額を差し引いて依頼者に送金するという形が主流です。また、発生する実費の見通しの立たない段階では、案件の受任時に着手金と同時に幾らかの預かり金を依頼者に出してもらい、発生する実費は逐一その預かり金の中から支出していくという場合もあります。
預かり金は弁護士に代理してもらって債権回収をするというシステム上発生することが避けられない仕組みであり、弁護士が円滑に業務を行っていく上でも重要なものとなっています。

■ まとめ

弁護士に依頼し、債権を回収する一連の流れにおいては①法律相談②依頼時の着手金③依頼中の実費④債権回収後の報酬金というフローの中で弁護士費用が発生することになります。
この弁護士費用は、具体的に固定化された金額ではないため、おおよその見通しを立てた上で、実際に法律相談に訪れ確認する必要があると考えられます。
専門家である弁護士を通じて債権回収を行う場合は、自ら行う場合よりも時間的にも労力的にも負担が軽減されます。許容できる額の弁護士費用で債権回収のめどが立つのであれば、積極的に弁護士を利用することが望ましいと思われます。

債権回収 相談金・着手金 0円 無料法律相談のご予約 TEL:03-5251-0003 お電話は平日9:30~18:00
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