売掛金は回収しないと意味がない!回収のための基礎知識

目次

はじめに

「売掛金」と「売り上げ」の意味の違いとは

「売掛金」と「買掛金」「未収金」の関係とは

「売掛金」と「利益」「金融機関の評価」の関係とは

売掛金の未回収は大きな痛手!適切な債権回収を

債権回収方法はたくさん!だからこそ弁護士へ

「訴訟」「調停」「支払督促」など債権回収方法はいくつもある

強制執行や差押えのタイミングも弁護士ならアドバイスできる

まとめ 

■ はじめに

商品の売買契約が成立することは喜ばしいことです。

しかもそれが大口の注文であればなおさら嬉しいことに違いありません。
個人の顧客とのやり取りは基本的に少額の売買代金ですぐに決済することが多いです。

しかし大口の注文は、売買契約の相手が個人事業主や大きな法人ということが少なくないはずです。
売買代金が入ればその分だけ大きな利益も出ますし、利益が出れば金融機関の評価もぐんと上がります。事業主にとっては望むところでしょう。

しかし、それはあくまで「売掛金を回収できれば」という話です。

事業者が契約する場合、その場ですぐに現金決済しないことが多いです。
注文が大口になればなるほど、支払う側の事業者はまとまったお金を用意する必要があります。社内の経理事情もあるでしょう。だからこそ「月末などの決まった日に決済する」という契約がよく結ばれています。

大口注文が入っても、決済日に売掛金を回収できなければ意味がありません。
契約の際は、回収が難しくなった時のことまで想定しておきましょう。売掛金回収のために知っておきたい基礎知識を優しく解説します。回収できなくなってから慌てるのではなく、リスクヘッジのつもりで基本事項はおさえておくようにしましょう。

■「売掛金」と「売り上げ」の意味の違いとは

契約を結ぶ際に「売掛金」と「売り上げ」の違いについて考えることはありませんか?
「いずれお金が入る」ことも将来的には売り上げという名の利益に繋がるわけですから、どちらも同じと考えていないでしょうか。

この二つのワードにははっきりとした違いがあります。「売掛金と似た言葉」と「売掛金」の違いをきちんと把握しておかなければ、帳簿上だけでなく未払いとなった債権回収をする時も戸惑ってしまうことになります。

「売掛金」は主に後払いを指します。
月末や毎月の十五日など、約束した日に決済されるお金を売掛金といいます。例えばA企業とB企業が「取引の代金は月末に払う」という約束をしたとします。品物は月の初めに渡しても、月末までお金が入ってくることはありません。これが売掛金です。

対して「売り上げ」は「既に決済されたお金」という意味と「自分の店の総合的な利益」という意味の二つがあります。後者は「今月の売り上げは〇万円だった」というかたちで、収益全般に関して使う印象があるのではないでしょうか。
品物や契約内容関係なく、その月やその年の総合的な収益を表現する時に「売り上げ」という言葉を使うことがあります。

前者の意味は、売掛金と比較して使うことが多いです。
売掛金は決まった日までお金が入ってきません。売り上げは既に決済されたお金のことを意味します。ですから、売掛金が入ってきた瞬間、売掛金は売り上げに化けることになります。
売掛金が入ってきていないなら、売掛金と売り上げは未決済と決済という違う性質の存在として区別されることが多いです。

二つの言葉を混ぜて覚えてしまうと、「どれを回収していないのだろう?」「決済した契約と決済していない契約が混ざって大変なことになってしまった」という事態が想定されます。
決済したもの(売り上げ)と決まった日に決済されるためまだ回収していないもの(売掛金)は別々に覚えておくようにしましょう。

・「売掛金」と「買掛金」「未収金」の関係とは

「売り上げ」以外にも「売掛金」と混同されがちな言葉があります。
それは「買掛金」と「未収金」です。

「買掛金」は「売掛金」と同じ「掛(かけ)」が使われている言葉です。
「掛」とは「ツケ払い(後払い)」の意味です。売掛金は「物品を先に渡してお代は後払いしてもらう」という意味で使われます。対して買掛金は「先に物品を仕入れてお代は後払いする」という意味で使われています。

売掛金は後払いしてもらえる立場(債権)で、買掛金は後払いしなければならない立場(債務)です。取引関係によってどちらの用語を使うか変わってきます。混同しないように注意が必要です。

「未収金」は未だ支払われていないお金(未払い債権)という点で売掛金と似ています。
しかし売掛金と未収金には大きな違いがあるのです。
未収金は主たる営業以外で得た利益に関する未収入の債権です。

例えば釣具屋を営んでいるAさんが釣具の利益ではなく、釣具店の営業利益で購入していたマンション経営で未払いの債権を得たら、それは売掛金ではなく未収金に分類されます。
釣具に関係のない店の備品やスクラップの売却で後払いしてもらう約束をしても基本的に売掛金とは言いません。「売掛金」「買掛金」「未収金」の違いをはっきりと把握しておくことが大切です。

・「売掛金」と「利益」「金融機関の評価」の関係とは

売掛金が多ければ一般的には利益をたくさん上げていると判断します。
なぜなら売掛金は「これから回収するお金」であり「将来的に入ってくるお金」だからです。

いずれ利益として入ってくるわけですから、勘定としてはプラス判断であると言えるでしょう。しかし、問題なのは、売掛金が絶対に入ってくるかはわからないというところです。

いずれ入ってくるということは「現段階では利益として手元に入っていない」ということです。
取引先が明日いきなり破産手続きをはじめてしまい回収が難しくなるかもしれません。

支払いを踏み倒すことも考えられます。入金トラブルだってゼロではありません。売掛金はいずれ入るという意味ではプラス(利益)ですが、現段階で「多分入るけれど、未払いの危険性が皆無ではない」という意味でリスクがあります。

金融機関は融資の際に企業の経営状況を参考にしますが、既に手元に入った利益とこれから入る不確定な利益では、前者の方をより評価します。

あまりに売掛金が多いと「回収前の利益を多めに見積もっているのではないか」「会社の利益を過大に見せようとしているのではないか」「これだけ売掛金があると回収ができないのではないか」という不信感を抱く可能性があります。

将来的に回収できる見込みのある利益が「売掛金」です。回収できなければ意味がありません。回収放置により信用が低下する可能性もあります。売掛金は回収してこそ本当の意味でプラスになるのです。売掛金が発生した時に「利益が出た」と喜んでいるだけでなく、常に「未払いの危険性は?」「回収が難しくなったらどうする」というふうに、回収について考えを巡らせておくことが重要です。

・売掛金の未回収は大きな痛手!適切な債権回収を

売掛金の未回収を放置すると最終的に未払いにより損失をこうむる可能性があります。損失が重なれば企業の信用にも関わります。金融機関からの評価もマイナス修正される可能性があります。

売掛金は売り上げなどと区別し、回収済みなのか、それとも未回収なのかを明確に把握しておくことが重要です。また、未回収の売掛金を適切な方法で回収するべく、迅速に行動を起こすことも重要になります。

そのためには「売掛金回収にはどんな方法があるかを知っておくこと」と「債権回収のプロに相談すること」の二点を心がけましょう。

■ 債権回収方法はたくさん!だからこそ弁護士へ

未収状態の売掛金を回収する方法はいくつもあります。

個人でも簡単にできる方法としては「相手への催促」があります。手紙やはがき、電話で支払いをしてくれない相手に対して払ってくれるように催促する方法です。債権問題に強い弁護士から相手へ催促してもらうという方法もあります。

この方法は特別な手続きも必要なく、すぐにできる方法でもあります。
しかし、相手が支払いに応じない可能性があるという欠点があります。催促しただけでは強制的に相手から支払いを受けることはできず、あくまで相手の誠意に任せることになります。

話し合いにより返済を促す」という方法もありますが、この方法も相手が合意したからと言って必ず返済が行われるとは限りません。
話し合いを反故にされる可能性も考えておかなければいけません。相手の態度に合わせて、より強い方法を選択する必要があるのではないでしょうか。

 しかし、より強い回収方法にも種類があります。債務者の返済態度や債権の状態によってどの方法を選択することが適切なのかが変わってきます。だからこそ債権回収に精通したプロに相談することが大切なのです。

・「訴訟」「調停」「支払督促」など債権回収方法はいくつもある

 個人的に催促や話し合いをする以外では、裁判所を使って諸手続きにより売掛金を回収する方法が考えられます。裁判所という法の番人を使いますので、個人で話し合いや催促する等よりも強い方法であるといえます。

裁判所で行える債権回収方法の代表格は「訴訟」です。
法廷で債権者と債務者の言い分を出し合い、最終的に判決をもらうことにより債権回収を図ります。同じく裁判所でできる方法に「調停」「少額訴訟」「支払督促」があります。

調停は裁判とは異なり、判決により結審するのではなく調停委員に同席してもらい話し合いで解決を図る方法です。少額訴訟は60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り利用できる、一期日で決着をつける方法です。支払督促は裁判所を通し、債務者に対して支払いを求める方法です。

これらの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
また、少額訴訟のように一定額までの支払いを求める場合しか使えないなど、利用条件が厳しい場合もあります。加えて、裁判で判決をもらったり、支払督促を送ったりしても、それを売掛金の回収に繋げることができなければ意味がありません。

どの方法を使うべきか、どのタイミングでどのように相手に請求していくべきか等は、やはり債権問題を得意としている弁護士でなければ判断が難しいものです。

 法律手続きに馴染みのない方はこれらの方法を羅列されても「自分はどれを使えばいいのだろう」と判断に迷っている間に債権回収がさらに困難になってしまう可能性も考えておかなければいけません。だからこそ、債権回収を得意とした弁護士に回収方法の相談をすることにメリットがあるのです。  

・強制執行や差押えのタイミングも弁護士ならアドバイスできる

売掛金に関わらず、債権には時効があります。
また、債務者が支払いを拒んで強硬な態度に出ることや、逃げることも想定しておく必要があります。売掛金の回収にはいくつもの方法がありますが、どの方法をどのタイミングで行うかは難しいところです。

しかし、せっかく自分に有利な判決をもらっても、判決だけでは債権回収ができません。支払督促も同じで、支払督促の手続きをしただけでは意味がないのです。差押えや強制執行を図ってはじめて売掛金の回収が実現します。

しかし、申立てすれば必ず回収に繋がるわけではなく、相手の妨害や逃亡もあり得ることです。
強制執行や差し押さえはタイミングと迅速さが重要です。プロに一任することにより、回収の確実性を高めることができます。

■ まとめ

売掛金はきちんと入金されなければ意味がありません。売掛金ばかり積み上げて「今年はこんなに利益が出た」と喜んではいられないということです。

売掛金と似た言葉についても解説しましたが、売掛金は回収できてはじめて売り上げ(利益)になるのです。売掛金だけ積み上げて未回収が続くと、金融機関や取引先からの評価が落ちるだけでなく、最悪の場合は自社の倒産に繋がる可能性もあります。

「売掛金は回収してこそ意味がある」

契約を結ぶ時は、この言葉を胸に刻んでおく必要があるのではないでしょうか。その上で、未回収の場合にどんな手段で回収すべきかを考えておくことも大切なのではないでしょうか。

回収手段に困ったら、債権回収を得意としている弁護士に相談してください。契約を結ぶ前にリスクヘッジとして弁護士に回収対策を相談するのもいいでしょう。

契約書のリーガルチェックから契約内容に合った対処法まで、債権回収のプロならではの助言を受けることが可能です。売掛金の発生と回収はワンセットです。ワンセットだと理解して弁護士に相談し、早めに対策することが重要なのです。

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