債務整理を検討すべき10の状況とは?
2021/08/25 10:24
目次
はじめに
誰かに借金のことを相談することは勇気のいることかもしれません。
しかし一人で悩んでいても解決できるものでもありません。どのような状況にあれば相談すればよいのかわからない人も多いと思います。
ここでは一般的に専門家に相談したほうがいいケースについて紹介しています。
検討を始めるべき目安
債務整理をするべき絶対的な基準というものがあるわけではありません。
借金がいくら以上あれば債務整理をしたほうがいいという単純な問題ではないのです。
ですが一般的にこのような状況に陥っていれば検討したほうがいいという「目安」は存在します。
抽象的にいえば「返済がつらい」状況がその目安といえます。
もっとも少し頑張ればすぐに完済できる程度のものまでその都度債務整理をしていては大変です。ブラックリストに載るなどのデメリットもあるのでより具体的な目安が必要となります。ここではわかりやすい兆候について見ていきます。
取立てに困っている
督促に悩まされている人は少なくありません。
延滞をしてしまったためにそのような状況になったと考えられますが、電話や督促状で請求されるだけでなく直接住居などに訪問されることもあります。
このような状況になるとだんだん精神的に追い詰められていくため早めに対処することが必要です。特に家族や職場に借金を秘密にしている場合にはそれが発覚してしまうのではないかという心配も重なってしまいます。
弁護士に任せれば取り立てをすぐにストップすることが可能です。これは受任通知というものを債権者に送付することで法律上取り立てができなくなるからです。専門家に依頼するメリットの一つです。
元本が減らない
長年返済を続けているのに借金が減らないことがあります。借金の総額を常に把握していないと見落としがちなので気をつける必要があります。
返済しても借金が減らないなんてそんなことが起こるはずないと思う人もいるかも知れません。しかしめずらしいことではなく多くの人が体験していることです。
理由は利息が高いことや月々の返済額が少ないことにあります。返済金が利息分にしか充てられずなかなか元本が減っていかないのです。利息は元本から発生するため少額の返済では焼け石に水となるのです。特に借り入れを繰り返している場合には利息の負担が大きくなりがちであり返済額が同じでも状況は悪化していきます。
リボ払いは特に気をつける必要があります。支払額を一定にできるメリットがありますがその反面よほど計画的にやっていかないと元本が思ったように減りません。
借金をなくすには返済額を意識的に増やしていく必要がありますが、生活に余裕がない状況にあれば債務整理を検討することになります。
返済のために借り入れしている
通常借金をする理由は、資金は手元にないが必要なものがあるためそのための融資を受けることにあります。借金の返済のために新たに借金をするというのは返済の見込みがあるのであれば別ですがその場しのぎにすぎず状況を悪くすることが多いといえます。
もちろんこれまでの借金を完済するための借り換えであれば有効なこともあります。ただしこれについても返済条件が大して変わらないのであれば根本的な解決にはなりません。
利息の負担が重くなっていくため早めに債務整理を検討したほうがいいといえます。
複数の会社から借りている
一般的には3社以上と取り引きがあることが目安といわれていますが、数に絶対的な意味があるわけではありません。
前記のように借金返済のために新たに借り入れを行っていると必然的に債権者が増えていきます。
借り入れは無限に行えるわけではなくだんだん審査が厳しくなっていきます。年収に対する規制も存在するためいつかは限界がきます。
取引先が複数社特に3社以上となっているときには自分で解決できる限界を超えている可能性があります。早めに専門家に相談することが必要です。
いくら借りているのかわからない
自分の債務の状況を認識できていない人は多くいます。しかし返済の見通しを立てるためには借金の総額を知っておくことが不可欠といえます。
現在の返済額でどのくらいで完済できるのかを知らなければ何年も経ってから債務整理することになりかねません。早い段階で手を打つことでより負担の少ない解決法をとることも可能となります。
借金がいくらあるのか把握しづらくなる理由は取り引き先がいくつもあるからです。1社だけであれば利用明細書を確認すればすぐに把握できるのに対し、いくつも利用していると認識しづらくなるからです。特に返済のために借り入れをしているときには頭が混乱しがちです。このような状況にあるときには専門家に相談すべきサインといえます。
いつも借金のことを考えている
常に借金のことばかり考えているとすれば返済プランに問題があるかもしれません。特に金額が大きく長期間に渡って返済していく必要がある場合には無理なく返済できるか検討することが大切です。借金を返済していく上で大切なことの一つは返済に余裕があることです。
長く返済していくときにはその間予想外の出費や収入の減少といったことが起こる可能性が高く、多少の状況の変動があったとしても返済していけることが求められます。そのためある程度の余裕が必要なのです。もし借金のことばかり気にして生活しているとすれば計画に無理が生じている可能性があります。
このまま返済していけるか一度検討し直してみることが必要です。それが現実的なものではないと感じたら専門家に相談してみることをおすすめします。
延滞が常態化している
毎月なんとか返済することはできているが期日を守れず返済が遅れがちであるときには要注意です。債権者からの催促が当たり前の状況になっているのであればそれが普通ではないということを認識しなければなりません。
返済できているのであるから大丈夫という考え方は正しくありません。特に利息の高い消費者金融からの借り入れがあるときには元本がなかなか減らないため予期しない支出があったときに返済に行き詰まることになります。
ここで新たに借金をすることはさらに事態を悪化させることにつながります。多重債務になってしまい収拾がつかなくなるのです。このような事態になってからでは債務整理の手段も限られてくるため早めに対処することが必要です。
返済が遅れがちになっているときには一度弁護士に相談することを検討してみてください。
限度額いっぱいまで借りている
貸金業者やクレジットカード会社は独自に融資限度額を設定しています。これはその人の信用状態からの限界点でありそれ以上貸し付けることは債権者にとってリスクが高いことを意味しています。
限度額ぎりぎりまで借りているということは返済できなくなるおそれがそれだけ高くなっているということです。もちろん一時的に限度額近くまで行ったとしてもすぐに返済できる見込みがあるときにはそれほど心配はないかもしれません。
ですが常に限度額上限で借り続けているのであれば収入とのバランスが崩れている可能性があります。
もし複数の業者からの借り入れがありいずれも限度額に達している状況にあれば抜本的な解決策を考えなければなりません。
月収の3分の1以上を返済に回している
すでに述べたようにいくら以上であれば債務整理が必要という基準はありません。
これはその人の収入によって返済可能か否かが異なるためです。
一つの目安として月収の3分の1以上が返済に回っているのであれば整理をするべきといわれています。ただこれも生活状況次第で特に問題ないケースもあるため絶対的なものではありません。
一番本質的なのは資金に余裕がなく借金に追われるような状況となっているか否かといえます。
未登録業者から借りようとした
貸金業登録をしていない業者いわゆるヤミ金から借りようとしたことがある場合にはかなり危険な水準に達しているといえます。もちろんすでに借りてしまっている場合にはすぐに弁護士に相談する必要があります。
このような業者は法律に違反して活動しているため債務者にとって危険な存在といえます。金利も法外に高く本人もそのことを認識していることが多いといえます。それにも関わらず借りてしまうのは正当な業者を利用することが不可能な状況にあるからです。借入限度額を超えているなど審査が通らないため手を出してしまいます。
借金の返済のためなど切羽詰まって借りてしまうのだと考えられますが問題の解決にはなりません。このような追い詰められている状況の場合には一刻も早く専門家に相談することが必要です。
債務整理をしたほうがいいケースを紹介してきましたが自分が当てはまるかよくわからないという場合であっても、「返済がつらい」と感じたら専門家に一度相談されることをおすすめします。
もし債務整理が不要だと判断されればそれに越したことはありませんし、整理が必要ならできるだけ早く手を打つべきだからです。
債務整理にはいくつも種類があります。だれにも知られずに解決できる方法もあります。
早めに相談すれば選択肢が多くなり大事にならずに済む可能性が高くなります。
借金の問題は必ず解決できるため一人で悩まないようにしましょう。
まとめ
- 返済のために借り入れすることや収入の多くを返済に充てている状況は危険水域にあります。
- 債務整理の方法はいくつもありますが相談が遅れると選択肢が少なくなってしまいます。
- 常にお金のことを悩んでいたり延滞があたりまえになっていたり、借金が減らない状況にあれば弁護士に相談することが大切です。