転質とは、質権が設定された質物をさらに他人への担保として質権を設定することを言います。(民法348条)例えば、Aが所有する腕時計をBに対して質権を設定した上で渡し、 Bから10万円を借りた場合、そのBがCに対して質物として預かっているAの腕時計を転質を設定して渡し、Cからお金を借りるような場合をいいます。
この場合、転質によって本来の所有者である者に不測の損害が及ばないよう、転質にはあらかじめ所有者の承諾が必要となります。あるいは、すでに所有者の債務が弁済期を過ぎており、質権者が質物の処分が可能となっているような場合は、所有者の承諾がなくとも転質の設定をすることができます。
このように、転質が可能かどうかは転質の要件を満たしているかどうかが大きな問題となりますので、質物に関して争いが生じた場合は、弁護士を通じて対処することが望ましいと言えます。
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