仮処分には、①係争物に関する仮処分(民事保全法23条1項)と②仮の地位を定める仮処分(民事保全法23条2項)の二種類の意味があります。まず、係争物に関する仮処分とは、不動産等を明け渡すよう求める訴訟において、債権者が明渡しを求める強制執行を将来円滑に行うために、あらかじめ明渡しを請求している不動産について、債務者が他人に売却したり、その他の処分ができないように措置を講じてもらう処分のことをいいます。
次に、仮の地位を定める仮処分とは、当事者に地位について争いがある場合、例えば会社の社員として勤務していたのに、突然解雇されてしまったような場合、解雇を無かったことにして再び社員の地位に戻ることを求める訴訟を起こすことになりますが、その間であっても社員の地位にあるということを仮に認めてもらうような処分のことを言います。
※ 法律用語集へ戻る。