借金返済方法のコツは?注意点や早く終わらせる方法など徹底解説
2022/08/31 06:50
目次
借金の返済を早く終わらせる方法にはコツがあります。やみくもに返済を続けていても借金はなかなか減るものではありません。
この記事では借金返済方法のコツや早く返済を終わらせるための注意点について解説していきます。
まずは債務状況の把握
どのような問題であっても解決するためには現状を把握することが必要です。借金返済方法を見つけるコツは現状を分析することです。
債務状況の把握
債務の状況を把握する方法にもコツがあります。以下の項目を明らかにしていくことが大切です。同時に複数のことをやろうとすると難しいので一つ一つ順番に行います。
1.借入先の確認(債権者の把握)
2.借入先ごとの債務の総額や支払期日、滞納の有無
3.金利(手数料率)と具体的な金額
4.月々いくら返済する必要があるのか、実際に返済している金額
いくら借金があるのかわからない場合には金融業者のWebサイトから会員ページにアクセスするか電話で確認することができます。
借りた金融業者がわからない場合には信用情報機関に対し情報開示請求を行うことで確認することができます。
信用情報機関への情報開示請求について詳しくは「債務整理後の生活への影響は?仕事や住宅ローンへの影響など解説」をご参照ください。
支出を見直す
借金を減らすためには滞納せずに確実に返済を続けることが必要です。そのためには返済のためのお金を捻出しなければなりません。返済原資を作り出す方法は収入を増やすことと支出を減らすことの2つがあります。ですが収入を増やす方法は限られるため支出の見直しから行うのがコツです。
遊興費や嗜好品を減らすことも有効ですがこのような変動費だけでなく固定費の見直しが特に重要です。
例えば、携帯電話の契約を大手キャリアから格安SIMに変更したり光ファイバーを携帯事業者とセットにすることで割引サービスを受けられたりもします。家賃も安いところに引っ越すことで大幅に減らせることがあります。保険に関しても積立型から掛け捨て型に変更するだけで大きな違いとなります。
このように支出から見直すことが借金返済方法のコツの一つです。
返済計画を立てる
借金がどれくらいあるのか確認したら収入や支出をもとに返済可能かどうか具体的な計算を行っていきます。
収入と家賃や通信費、食費、光熱費などの支出を書き出します。収入から支出を差し引いた残りが返済可能な金額となります。
<収入例>
給料 |
28万円 |
公的手当 |
2万円 |
合計 |
30万円 |
<支出例>
家賃(ローン、管理費等) |
10万円 |
水道光熱費 |
3万円 |
通信費 |
10,000円 |
携帯電話 |
10,000円 |
サブスクリプション(月額利用料) |
10,000円 |
食費 |
5万円 |
保険料 |
1万円 |
その他 |
3万円 |
合計 |
250,000円 |
収入30万円-支出25万円=5万円が返済可能金額となります。
これと借入額と利率(手数料率)をもとに返済期間の目安を算出することができます。
利息は次の計算式によって求めます。
利息=元本(借入残高)×利率÷365×利用日数(返済までの期間) |
借入残高が60万円(金利15%)のケースで考えてみます。
この場合の利息は、
「60万円×0.15÷365×30日=7397円」
となります。
借入残高が減れば利息も減ります。これは一月目の利息ですから二月目からは利息は少なくなります。
5万円を返済すると、
「5万円-7397円」=42,603円分が元本返済に当てられることになります。元本は557,397円になりこれに上記の式で計算した利息がつくことになります。これを繰り返していきます。
これによりどれくらいの期間で返済可能なのか大まかに計算可能です。
毎月5万円を返済すると14か月で完済できます。手計算でシミュレーションをするのは大変なので金融業者のホームページにある返済シミュレーションを利用することをおすすめします。
借金返済方法のコツ
借金返済を早く終わらせる方法や注意点について詳しく見ていきます。
返済計画を立てる
借金返済を早く終わらせる方法はまず返済計画を立てることにあります。ですが無理な計画を立てることはかえって危険です。
返済計画を立てる注意点として重要なのは無理のない返済可能額を知ることです。借金の返済は長期に及ぶため急な出費や収入減なども考慮して計画をたてることがコツです。
先程の「支出例」では5万円が返済可能金額でしたが急な出費は考慮に入れていません。ある程度貯蓄に回すなどの余裕をもたせることで返済計画が破綻しにくくなります。
例えば、前記の例で言えば支出に「預金1万円」などの項目を用意し返済可能金額を4万円に設定することが考えられます。
返済額を上げる
借金返済を早く終わらせる方法は返済額を多くすることです。毎月の返済額を多めにすれば元本の減り方が多くなり利息の負担も減ることになります。これにより返済総額も減り最終的な経済的負担を軽くすることができます。
支出を抑えれば返済額を自然に増やしやすくなります。前記の支出例であれば携帯電話代とサブスクリプション代を5,000円ずつ減らせば1万円余分に返済可能となり返済期間は14回から11回に減ります。さらに家賃を7万円に減らせば8か月で返済可能となります。
繰り上げ返済
予定している返済とは別に返済を行う方法を繰り上げ返済といいます。通常の返済とは異なり返済金はすべて元金に充てられるため利息軽減の効果が大きくなります。
繰り上げ返済には「期間短縮型」と、「返済額軽減型」の2つがあります。
期間短縮型 |
毎月の返済額は同じだが返済期間が短くなり利息が軽くなる。利息軽減効果は「返済額軽減型」より大きい。 |
返済額軽減型 |
返済期間は同じだが毎月の返済額が少なくなる。家計の安定性重視。 |
※繰り上げ返済の手数料や各種条件は金融業者により違いがあるため注意が必要です。
借金返済を早く終わらせたいのか返済に余裕を持たせたいのか個別の事情により選択していきます。
ローンの借り換え
金利などの条件の良いローンを利用し既存のローンを返済してしまう方法です。利息を軽減できるほか返済条件がよくなることがあります。
ただし、手数料がかかることや条件によってはこれまでよりも不利になることがあるため慎重に検討する必要があります。利息がわずかに下がっても手数料のほうが高くついてしまうこともあります。新たに審査を受けることにも注意が必要です。
おまとめローン
複数の業者からの借り入れを一本化する方法です。専用のおまとめローンサービスも用意されています。複数社のローンをまとめると金額が大きくなるため金利が安くなる可能性があります。また返済先が1社に限定されるため返済計画が立てやすくなります。
借金返済する際の注意点
返済計画を立てたら計画を破綻させないように注意します。そのためには新たな債務を増やさないこと、支出を管理すること、元本を減らすことが大切です。
クレジットカードの利用を最小限に
クレジットカードの利用も債務を増やすことだと認識する必要があります。特に分割払いやリボ払いは金利・手数料がかかるため借金返済を早く終わらせることが難しくなります。特に複数のカードを利用していると債務がどれだけあるのか認識しづらくなります。
クレジットカードを利用する場合にはできるだけ1社に絞り支払いも一括払いにすることがコツです。
支出管理をきちんとする
毎月どれだけお金を使ったかを認識していないと返済計画が破綻しやすくなります。家計簿をつけて収入と支出のバランスが取れているか意識することが大切です。
家計簿アプリの中にはレシートを撮影するだけで記入できるものがあり負担が少なくなっています。
リボ払いの利用を避ける
毎月一定額の支払いで済むリボ払いは便利かもしれませんがデメリットも大きいです。利率(手数料率)が高いため自分で意識的に返済額を大きくしていかないと元金がなかなか減らないのです。どうしても一括払いができないときには支払回数が限定されている分割払いを検討してください。
<関連記事>リボ払いは債務整理で減額可能?方法やメリット・デメリットも紹介
借金返済が辛いと思う背景
借金の返済方法や早く返済できる方法を知りたい理由は現状を辛く感じているからです。その理由について解説していきます。
完済までの見通しがつかない
どのような問題であっても解決の見込みがつかないと不安が大きくなります。借金の返済についても目処がつかなければ安心することはできません。
もし借金に利息がなければ返済額がすべて元本に充てられるためいつ完済できるか見通しがつきます。このように利息が借金返済の見通しをつきにくくし現状の辛さの要因となっています。
特にリボ払いのような高金利かつ毎月の返済額が小さい方法では返済がいつまでも終わらないことがあるため注意が必要です。
返済能力を超えた借金
収入に対し支出が多すぎると返済は不可能となります。家計はすでに破綻しているため根本的な解決策を取る必要があります。
消費者金融については総量規制が設けられています。これは原則として年収の3分の1を超える借金をすることができないという制限ですがこれ以上の借金は利息の負担を考えると返済が困難と考えられるからです。
・元本がなかなか減らない
・返済のために他社から借り入れている
・常に借金返済のことを考えている
・借金や家賃、光熱費、税金などを滞納している
このような状態にあるのであれば返済能力を超えている可能性が高いといえます。
思いつめる前に専門家に相談を
返済計画がうまくたてられない場合や借金の返済を早く終わらせたいときには弁護士に相談されることが大切です。債務整理をすれば借金の問題を根本的に解決することができます。
債務整理には代表的な方法として「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」があります。それぞれメリットとデメリットがあります。
任意整理
任意整理とは、債権者と話し合うことで利息をカットしてもらったり支払いを長期の分割払いにしてもらったりする方法です。裁判所を利用しなくて済むので個人再生や自己破産よりハードルが低いといえます。
利息を免除してもらうことで返済の負担を軽くする方法であり高金利の消費者金融やカードローン、リボ払いで特に効果があります。反対に金利の低い住宅ローンなどではメリットがあまりありません。
利用するには3年から5年程度で完済できる見込みがあることが必要です。
任意整理について詳しくは「任意整理しない方が良い場合は?任意整理の概要とリスクを解説」をご覧ください。
個人再生
個人再生とは、一定の再生計画を裁判所に認可してもらい計画に従い返済を行う方法です。債務を大幅に圧縮できるメリットがあります。任意整理では元本を減らすことは通常できませんが個人再生では元本も大きく減らすことが可能です。
住宅ローンを残すことが可能でありローンのある持ち家を手放さなくてすみます。ただし利用できる条件があるため注意が必要です。
個人再生について詳しくは「個人再生でやってはいけないことは?注意点や対処法など徹底解説」をご覧ください。
自己破産
自己破産とは、債務者自身が破産を裁判所に申し立て財産を精算し免責を得ることで返済義務がなくなるものです。
財産をすべて失うわけではなく生活や職業上必要なものは手元に残すことができます。例えば現金であれば99万円まで残せます。
借金を滞納していると差し押さえを受けることになり自己破産していれば残せたはずの財産まで失うことがあるため早めに決断することが必要です。
すでに法的手続きを債権者がとっていたとしても弁護士が介入すれば阻止できる可能性があるため早めに相談することが大切です。
自己破産について詳しくは「自己破産とは?5つのポイント」をご覧ください。
まとめ
借金返済方法のコツは債務の状況を把握することにあります。借金の状況や支払いができる可能性を知ることで不安を解消し早く返済を終わらせることができるのです。注意点は返済が難しいことに気づいた場合には早めに専門家に相談しなければならないということです。借金には利息があり問題を先送りにしても状況が悪化するだけだからです。自力での返済が可能か一度専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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本記事の監修弁護士 前田 祥夢(東京弁護士会所属)