借金の借り換えとは?メリット・デメリットを詳しく解説

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借金の悩みを解決するにはいくつか方法があります。

その一つが借金の借り換えです。

よく似たものに「おまとめローン」というものもあります。

 

この記事では、借金の借り換えとは何か、基本的なことから借金の根本的な解決方法まで解説していきます。

 

借金の借り換えとは

借金の借り換えとは、今ある借金を別の所から借り入れたお金で返済し、新たに借り入れた業者に返済していくことです。

 

借金やローンの利率が高くて困っている人が、もっと低い利率の所に借り換えることで、返済の負担を軽くすることが目的です。

 

例えば、A社から18%の利率で借金をしたり、ショッピングローンを利用したりしている場合に、金利15%のB社に借り換えたときは、3%分の負担が軽くなることになります。

A社の借金が90万円あったのであれば、B社から90万円を借りてA社の借金を完済し、B社に対して返済していくことになります。

 

銀行や信用金庫だけでなく消費者金融も借り換え専用ローンを用意しています。フリーローンを利用して借り換えする方法もあります。

 

<関連記事>借金返済方法のコツは?注意点や早く終わらせる方法など徹底解説

 

おまとめローンとの違い

おまとめローンとは、複数の借金を返済するためのローンのことです。

借り換えとの違いは、借金やローンが複数あるかどうかの違いです。

 

どちらも返済の負担を減らすことが目的なので大きな違いはありません。

 

おまとめローンの方は、複数の借金を一つにまとめることで分かりやすくなるというメリットもあります。あちこちから借金していると借金がいくらあるのか、どこから借金しているのかもわからなくなります。特に返済日が違うと大変です。

 

複数の借金があると利息も高くなりやすいです。

 

利息制限法という法律では、借金の金利の上限を規制しているのですが、元本の金額によって上限金利が違うのです。

元本が10万円未満のときは年利20%、10万円~100万円未満のときは年利18%、100万円以上は年利15%となっています。

 

つまり、複数の金融業者から少しずつ借金していると利息の負担が大きくなりやすいのです。

そのため、複数の借金を一つにまとめてしまえば利息を低くしやすいので返済が楽になります。

 

例えば、A社、B社、C社から50万円ずつ借金していた場合、金利は18%までとることができますが、D社のおまとめローンを利用し150万円を借りると金利は15%以下にすることができます。

 

借金の借り換えとは?メリット・デメリット

借金の借り換えには思わぬ落とし穴があります。

借金の借り換えの具体的なメリットとデメリットについて解説していきます。

 

借り換えのメリット

借金の借り換えのメリットは返済の負担が軽くなることですが、具体的にどのようにして返済が楽になるのか解説します。

 

利息を減らせる

借り換えをすると借金やローンの利息・手数料を減らすことができます。

ただし、もともと金利が低い借金のときには大して違いがないこともあるので注意してください。

 

毎月の返済額を減らせる

利息・手数料が減れば毎月の返済額も減らせることになります。

 

<借金額90万円(返済期間3年)のケース>

A社から90万円の借金(年利18%)があり、B社(年利14%)に借り換えた場合は、毎月1,778円返済額が減ります。

 

 

A社(年利18%)

B社(年利14%

返済額/

32,537

30,759

※元利均等返済

 

返済総額を減らせる

毎月の返済額が減れば、返済総額も減らせることになります。

 

<借金額90万円のケース(返済期間3年)>

A社から90万円の借金(年利18%)があり、B社(年利14%)に借り換えた場合は、6万4,000円ほど支払額が減ります。

 

 

A社(年利18%)

B社(年利14%

返済総額

1,171,332

1,107,324

利息分

271332

207,324

※元利均等返済

 

<関連記事>リボ払いは債務整理で減額可能?方法やメリット・デメリットも紹介

 

借り換えのデメリット

借り換えは良いことばかりのように思えるかもしれません。

ですが実際にはいろいろな問題があります。

 

再審査が必要

新しくローンを組むので融資の審査を受けることになります。審査の手間や時間がかかることを計算に入れておく必要があります。

 

審査が厳しい

他の借金を返すために借り換えるわけですから審査は厳しくなります。

借り換えを検討している人には、「少しでも負担が減るならそれに越したことはない」という人から、「このままでは返済ができない」という人までいます。

 

返済が難しいから借り換えをしようとしている場合、金融業者の側からすれば、「ちゃんと返してもらえるだろうか」という疑問があります。金利が多少低くなるだけでは生活は大きく変化しないからです。

 

特に、銀行などの金融機関の場合には審査は厳格に行われます。消費者金融と異なり銀行の利息が低い理由は、審査を厳しく行っているためです。消費者金融の利息が高い理由は、審査が甘く返せなくなる人の割合が多いためです。取れる所からたくさん取ろうという戦略です。

 

銀行や信用金庫などの利率の低いローンを検討している方は注意してください。

 

このように、通常のローンよりも厳しく審査されるため借り換えできないことも多くあります。

 

総返済額の増加

借り換えをするときには金利だけでなく手数料にも気をつけてください。

借り換えの際に多額の手数料が発生することがあるのです。

 

手数料にも種類があります。金融業者に対する事務手数料や、担保の変更に伴う手数料などです。

例えば、住宅ローンを利用しているときには抵当権が設定されています。これを新しいローンに変更していかなければいけません。

 

登記をするときには登録免許税がかかります。

抵当権抹消登記は不動産1個で1,000円のため、土地と建物で2,000円です。新しく抵当権設定登記をするときには、原則として借金額の0.4%かかります。1,000万円の借り換えであれば4万円です。このほかに司法書士に対する報酬が数万円はかかります。

 

借り換えによる利率が低くなる効果よりも、手数料を考えると負担が大きくなることがあるので注意してください。

 

また、借り換え後は返済回数をこれまでよりも長く設定できることも多いです。その場合、利率が低くなったからといって長期の返済回数にしてしまうと総返済額が借り換え前よりも多くなることがあるので気をつけてください。

 

借金が残ってしまう

債務整理ではないため借金は残ってしまいます。

しかも、利率が数%程度低くなるだけなので生活への大きな変化は期待できません。

 

借金の借り換えは、そのままでも返済していける人が返済を楽にしようとする場合に効果的といえます。

 

返済に行き詰まっている人にとっては焼け石に水となってしまい、事態を悪化させかねません。

借金の問題は対処が遅れるほど解決が難しくなります。

債務整理にはいくつか方法がありますが、選択肢が少なくなってしまうからです。

 

<関連記事>おまとめローンの注意点とは?3つのポイント

 

借り換え以外で借金を減額する方法

借金の借り換えは、借金の利率を低くして毎月の返済を少しだけ楽にするものにすぎません。

 

借金の問題を根本的に解決するには「債務整理」が必要です。

 

債務整理とは、借金などの債務を根本的に解決する方法です。

 

借金を全額免除してもらったり、大幅に減額してもらったりして借金の悩みをなくします。

 

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。ケースによって最適な方法が変わるため詳しく見ていきます。

 

任意整理

任意整理とは、債権者との交渉によって利息をカットしてもらったり、35年の分割払いにしてもらったりして返済を楽にする方法です。

 

借金の借り換えと異なり、利息をなくしてもらうため金利の高いカードローンやリボ払いなどは劇的に借金の負担が軽くなります。

 

例えば、150万円の借金(金利15%、返済期間5年)の場合、毎月の支払いが35,000円以上しますが、任意整理すると毎月25,000円の返済となり、1万円以上返済額が減ります。トータルでは60万円以上変わることになります。

 

財産の処分もしなくていいのでマイホームや自動車などの財産を残したいときでも利用することができます。

債権者と交渉するだけですから同居の家族にも秘密にすることが可能です。

 

利息を支払い過ぎていたときには元本を減らすことも可能です。

任意整理するには安定した収入が必要ですが、パートやアルバイト、年金収入の方でも利用可能です。

 

35年の分割払いにすることが目安とされているので、その期間内で支払える額の借金でなければなりません。

もし、金額が大きい場合や元本も大きく減らしたいときには、他の債務整理の方法を選ぶことになります。

 

個人再生

個人再生とは、借金に悩んでいる人が決められた返済計画に従って返済することで、借金などの債務を大幅に減額してもらうものです。返済計画は裁判所に認めてもらうことが必要です。

借金の借り換えや任意整理と異なり、元本も大きく減額してもらえます。借金の額にもよりますが5分の110分の1程度に減額されます。

 

個人再生の場合も基本的に財産の処分は強制されません。ただし、ローンがある財産については、基本的に債権者に引き上げられてしまったり処分されてしまったりすることになります。

 

任意整理の場合には、ローンのある借金を除外して債務整理することもできるので、ローンの残っている自動車なども残せるのですが、個人再生では一部の借金のみ除外するようなことができないのです。

 

ただし、住宅ローンについては特別に残すことが認められています。そのため、ローンのあるマイホームでも安心して利用することができます。

 

自己破産

自己破産とは、借金の返済ができない場合に、もっている財産を精算して返済の責任を免除してもらう方法です。

 

財産を精算するといっても高価なものを処分するだけです。生活に必要なものや99万円以下の現金などは手元に残すことができます。

 

ギャンブルで作った借金なども含めて原則として返済する必要がなくなります。ギャンブルや浪費で作った借金は免責してもらえないと思っている人も多いですが大きな誤解です。原則として免責しないことになっているのですが、実際には裁判官の裁量でほとんどの人が借金を免除されます。

 

ローンを組んだりクレジットカードが作れなくなったりすると思っている人もいますがこれも違います。

確かに、「ブラックリスト」に載るとしばらくの間はカードを作れないなどの問題はあります。

「ブラックリスト」とは、個人の借金などの情報を集めている信用情報会社に要注意人物として記録されることです。何か月か滞納しただけでも記録されます。

 

このブラックリストはいつまでもデータが残っているわけではありません。

基本的に支払義務がなくなってから5年で抹消されます。銀行系のブラックリストについては、個人再生と自己破産については10年とされているので銀行ローンを利用するときには注意してください。

 

<関連記事>債務整理後の生活への影響は?仕事や住宅ローンへの影響など解説

 

まとめ

・借金の借り換えとは、借金を返すために金利の低いローンを組んで、新しい借入先に返済していくことです。

・おまとめローンとは、複数の借金を返済するための借り換えのことです。

・借り換えのメリットは、利率を低くすることで返済が楽になることです。ただし、手数料がかかるためかえって高く付くことがあります。

・借り換えのデメリットは、審査が厳しいこと、総返済額の増加のおそれがあります。借金の根本的な解決にもなりません。

・借り換えをしても大きく負担が減るわけではありません。借金の返済に行き詰まっている場合には債務整理をする必要があります。

・債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などの方法があり、その人の希望に合わせて選択することができます。

 

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借金のことで悩んでいて借り換えを検討している方へ。

 

借り換えでは借金の根本的な解決はできません。

借り換えを申し込む前に一度弁護士にご相談ください。

 

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本記事の監修弁護士  前田 祥夢(東京弁護士会所属)

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