借金はいくらからやばいのか?判断基準や対処法を解説
2023/08/16 08:13
目次
借金のすべてが悪いわけではありません。
住宅ローンや自動車ローンなど多くの人が借金を抱えています。
一方で借金に悩んでいる人も多くいます。
問題なのは借金そのものではなく、「やばい借金」です。
借金がやばい状態になってしまったら早めに手を打つ必要があります。
この記事では、借金の中でも悪い借金である「やばい借金」について解説していきます。
借金がやばいと言われる判断基準
借金がすべて問題となるわけではありません。
「やばい借金」は返済が難しい借金のことです。
具体的には以下のような状況になっている人はやばい借金になっている可能性が高いです。
年収の1/3を超える金額を借りている
貸金業者からの借り入れは、原則として年収の3分の1までしかできません。貸金業法という法律で「総量規制」という制限がかかっているからです。
これ以上の借金があると返済ができなくなることが多いため法律で制限されているのです。
例えば、年収300万円の人であれば100万円までしか原則として借りることができません。
つまり、借金の金額がいくらあるからやばいというより、収入に対する割合が多いことが問題ということになります。
ただし、貸金業者ではない銀行のローンやおまとめローンのような例外的な貸し付けは受けられます。そのため年収の3分の1を超える借金になることもあります。
ですが年収の3分の1を超えている以上、いつ返済ができなくなってもおかしくないため、「やばい借金」になっている可能性があります。
支払いの半分以上が利息となっている
返済をしているのに借金がなかなか減らないことがあります。
原因は返済の大半が利息に充てられているからです。
これでは返済を続けても借金は残り続けるため「やばい借金」といえます。
支払いの半分以上が利息の支払いに充てられているときは、毎月の返済額を増やすなど根本的な解決をした方がいいでしょう。
複数の会社から借り入れを行っている
複数の業者から借金をしているのも危険な状態です。
複数の業者から借り入れして返済が難しくなることを「多重債務」といいます。
多重債務は借金がやばい状態になっている典型例です。
複数から借金をしていると返済日を覚えておけなくなり、計画的な返済が難しくなります。
借金の利息は借入額に応じて規制があり、借金が多くなるほど利息は低くなります。
そのため、複数の業者から小分けにして借金してしまうと利息が高くなります。
このように複数の業者から借金をしてしまうと返済の負担が大きくなるため、「やばい借金」の可能性が高いです。
借金返済のために新たに借金を重ねている
返済に困り他から借金をして返済する状態も「やばい借金」の特徴です。
借金で借金を返しても利息がかかるため借金は増えていきます。
「総量規制」により新規の借り入れもいずれできなくなるため、借金がやばい状態といえます。
返済を滞納している
返済日を忘れていて一時的に返済を滞納しただけであれば「やばい借金」とはいえませんが、滞納をよくしてしまうのであれば借金がやばい状態にあります。
<関連記事>借金を滞納するとどうなる?滞納のリスクと対処方法を詳しく解説
借金を放置するリスク
借金を放置していると次のような問題が起こります。
遅延損害金が発生する
返済が遅れると「遅延損害金」という特殊な利息が発生します。
普通の利息よりも高いことが多いので返済がさらに難しくなります
債権者から裁判を起こされる
返済の約束を守ることができないと最終的には裁判になってしまいます。
返済が多少遅れたからといってすぐに訴えられるわけではありませんが、借金を放置していると訴訟を起こされる可能性が高いです。
財産が差し押さえされる
裁判で負けてしまうといつ財産を差し押さえられてもおかしくありません。
預金や給料、不動産、自動車などが差し押さえの対象となります。
ただし、債務整理をすることで執行官が家にやってくることを防いだり、残したい財産を残せたりする可能性があります。
<関連記事>借金返済ができないとどうなる?対処法や債務整理について徹底解説
借金がやばい状態に陥りやすい人の特徴
危険な借金を作ってしまう人には特徴があります。
計画性がない
借金をする場合には返済計画を立てる必要があります。収入と支出のバランスを考えて完済の見通しを立てます。
借金がやばい状態になりやすい人は、いつ完済できるか分かっていないことも多いです。
ギャンブルに依存している
ギャンブルに依存している人は金銭感覚が鈍くなっていることがあります。
ギャンブルが原因で借金を作ってしまう人も少なくありません。
一番問題なのは借金をギャンブルで返そうとすることです。
不確実な方法で借金を返済しようとする人は借金がやばい状態になりやすいといえます。
身の丈にあった生活をしていない
支出は収入に合わせるのが基本です。
そうしないと家計が赤字となり借金をしやすい状態になります。
収入が減っているのに生活水準が以前のままという人は多くいます。
意識して生活スタイルを変えていかないと借金の返済が難しくなります。
ストレス発散として衝動買いをよくする
ギャンブル依存症は有名ですが、買い物依存症の人も多くいます。
高価な買い物を衝動的にしてしまいやすい人は、借金をしやすい傾向にあるため注意が必要です。
高価な買い物はクレジットカードやローンを利用することが多いため、気が付かないうちに借金を抱えていることが多いからです。
<関連記事>借金を踏み倒した場合のデメリットは?罪に問われるかも解説
借金が深刻な場合の対処法
借金を解決する方法としては、「自分で解決する方法」と、「専門家に相談する方法」の2つがあります。
自分の債務状況を把握する
借金を解決するには、借金がいくらあるのかを確認することから始めます。
自分の借金を知ることで適切な解決策を見つけることができます。
自分の力で返していけそうであれば返済を続けることができます。
家計の見直しや収入アップを図る
返済するためのお金を作り出すには、「支出を減らす方法」と、「収入アップ」をする方法の2つがあります。
収入を上げるには仕事を増やすなどの方法がありますが簡単ではありません。
そのため、支出を減らすことが基本となります。
趣味などに使う娯楽費や、お酒やタバコなどの嗜好品を見直すことも大切です。
特に、毎月一定額がかかる「固定費」を減らすと効果的です。
スマホ代を減らすために格安SIMにしたり、家賃や保険を見直したりすることで支出を減らせないか検討します。
<関連記事>借金返済方法のコツは?注意点や早く終わらせる方法など徹底解説
おまとめローンを検討する
おまとめローンは、複数の業者から借り入れている借金を一つにまとめるローンのことです。
借入先が一つになるため返済しやすくなりますし、金利が安くなることも多いです。
「総量規制」の例外として、年収の3分の1以上であってもローンを組むこともできます。
ただし、金利が大して変わらないのであれば借り換えにかかる手数料の方が高くつくこともあるので注意が必要です。
<関連記事>おまとめローンとは?カードローンをまとめて返済するメリット・デメリットを解説
債務整理を行う
借金がやばい状態になっていても「債務整理」という解決手段があります。
債務整理とは、借金をなくしたり、返済の負担を軽くしたりして借金の問題を解決できる仕組みです。
債務整理には種類があり、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」があります。
任意整理
任意整理というのは、弁護士が債権者(お金を貸している人)と話し合いをして、利息をなくしてもらったり、返済期間を延ばしてもらったりすることで返済の負担を減らしてもらう方法です。
金利の高いローンであれば利息をカットしてもらうだけで毎月の返済が楽になります。債権者と交渉するだけなのでプライバシーも守れます。
<関連記事>任意整理とは?メリット・デメリットや費用について詳しく解説
個人再生
個人再生は、借金を5分の1から10分の1程度に大幅に減額してもらい、3~5年の計画で返済をしていく裁判所の手続きです。
財産の処分は絶対に必要というわけではないため、マイホームなどの財産を残したいときにも利用することができます。
<関連記事>借金救済制度とは?利用するメリット・デメリットを解説
自己破産
自己破産というのは、借金などの債務の返済に行き詰まったときに、財産を清算し、返済の責任もなくしてもらう裁判所の手続きです。
財産はすべてなくなるわけではありません。
家などの高価な財産は処分されることが多いですが、現金を含めて生活に必要な財産は残せるものが多くあります。
裁判所から借金の「免責」をもらうことができれば返済する責任がなくなります。
<関連記事>自己破産をするには?やり方・手続きの流れや費用など詳しく解説
まとめ
・借金がやばい状態とは、「年収の3分の1以上の借金」、「支払の大半が利息に充てられている」、「多重債務」、「借金返済のために借金をしている」、「返済を滞納している」ときです。
・借金を放置すると、「遅延損害金の発生」、「裁判を起こされる」、「財産を差し押さえられる」などのリスクがあります。
・借金がやばい状態になりやすい人は、「計画性がない」、「ギャンブルや買い物に依存している」、「身の丈に合った生活をしていない」などの特徴があります。
・借金への対処法としては、「自分の借金を把握する」、「家計を見直す」、「おまとめローンの活用」があります。
・やばい借金の根本的な解決をするには、「債務整理」が有効です。債務整理は専門の弁護士にご相談ください。
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借金がやばい状態になっている方へ。
借金は放置していてもなくなりませんし、むしろ利息によって増えていきます。
借金の問題は早めに解決することが大切です。
時間がたてばたつほど状況は悪くなり返済が苦しくなっていきます。
自力で完済することが難しいときには早めに専門の弁護士にご相談ください。
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本記事の監修弁護士 前田 祥夢(東京弁護士会所属)