借金減額シミュレーターは怪しい？診断のからくりやデメリットを解説

2023/09/18 02:54

「借金減額シミュレーター」や、「借金減額診断」などの言葉を見かけることがあります。

しかも、「無料」で利用できると書いてあります。

そのため、「詐欺サイトなのではないか」と怪しむ人もいるようです。

そもそも、借金が本当に減額されるのか疑う人もいると思います。

借金返済に悩んでいる人からすると、「うまい話があるわけない」と思うのだと思います。

この記事では、借金減額シミュレーターの正体や、借金減額の仕組み、デメリットなどをくわしく解説していきます。

借金減額シミュレーターとは

借金減額シミュレーターとは、パソコンやスマホなどで必要事項を入力すると、無料で、借金の減額の可能性や、おすすめの債務整理の方法、借金がどれだけ減るのかなどを、教えてくれるサービスです。

「借金減額診断」ともいいます。匿名で利用できるものが多いです。

「借金減額シミュレーターは怪しい」、「借金減額シミュレーターは怖い」などのイメージがあるかもしれませんが、弁護士事務所が運営している借金減額シミュレーターであれば心配いりません。

借金を実際に減額するには、債務整理が必要となります。

なぜ無料で借金減額シミュレーターを用意しているのかというと、いきなり弁護士に債務整理を相談するのはハードルが高いと感じる人が多いからです。

気軽に借金減額のシミュレーションを体験してもらって、実際の債務整理の依頼を考えてもらうための、「きっかけづくり」として、借金減額シミュレーターが用意されています。

だから、「無料で借金減額診断なんておかしい」、「なにか裏があるに違いない」と怪しむ必要はありません。

借金減額シミュレーターのからくり

無料で借金減額シミュレーターが利用できる理由は、気軽に相談してもらえるようにするための弁護士事務所のサービスだからです。

もちろん、シミュレーターを使ったからといって正式に相談や依頼をしなければいけないわけではありません。興味があったら、あらためて相談すればいいだけです。

借金減額シミュレーターにも種類がありますが、どれも似たような仕組みになっています。

基本的には、次のような項目をクリックしていくだけでシミュレーションができます。

・借入先の数（カードローンやリボ払いを含む）

・借入総額（「0～49万円」、「50～99万円」、「100～199万円」などの選択肢）

・現在の支払い状況（「支払うことはできるが減らしたい」などの選択肢）

実際に試してみると分かりやすいです。

当事務所にも借金減額シミュレーターがあるので、試しにクリックしてみてください。

借金減額シミュレーター（無料）

運営：弁護士法人東京新橋法律事務所（弁護士登録番号：60429）

そもそも借金をどうして減額できるのか疑問に思うかもしれません。

借金を減らせる理由は債務整理にあります。

債務整理には種類があり、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」などがあります。

債務整理をすることで、利息をカットできたり、利息だけでなく元本を大幅に減らしたり、借金をゼロにできるケースもあります。

借金減額シミュレーターで入力してもらった情報により、債務整理をした場合の借金のシミュレーションが可能なのです。

＜関連記事＞借金救済制度とは？利用するメリット・デメリットを解説

借金減額シミュレーターで確認できること

借金減額シミュレーションをすると、弁護士からシミュレーション結果を送ってもらうことができます。

具体的には次のような内容を教えてもらうことができます。

借金減額の可否

借金の金額があまりに小さい場合や、支払いに困っていないケースでは、債務整理に向いていないことがあり、借金減額ができないこともあります。

借金減額シミュレーターを使うことで、借金の減額が可能なケースなのか判断してもらうことができます。

債務整理に向いていないケースでは、おまとめローンを利用して返済していく方法が考えられます。

債務整理（任意整理、個人再生、自己破産）の可否

債務整理には種類があります。

借金減額シミュレーターを使えば、債務整理が可能なのか、どの債務整理が良いのかなどを提案してもらうことができます。

任意整理

任意整理は、借金の貸主と話し合って負担を軽くしてもらう方法です。利息をなくしてもらったり、支払期間を3～5年くらいに長くしてもらったりします。カードローンやリボ払いなど、金利や手数料の高い借金に効果の高い方法です。裁判所を利用しないのでプライバシーも守られやすいです。

個人再生

個人再生は、裁判所に返済計画を提出し、認めてもらうことで大幅に借金を減らしてもらう方法です。借金額の大きさによって違いがありますが、目安として5分の1～10分の1くらいに減額してもらえる可能性があります。住宅ローンは減らさないことでマイホームを残せる手続きもあります。

自己破産

自己破産は、裁判所を利用した手続きで、借金などの債務の返済が難しいときに、返済の義務を免責してもらう方法です。

不動産などの価値の大きな財産は処分が必要ですが、生活や仕事に必要なものなど手元に残せる財産も多くあります。十分な収入がなく、返済が難しいときでも借金をゼロにできる可能性があります。

＜関連記事＞自己破産をするには？やり方・手続きの流れや費用など詳しく解説

債務整理によって減らせる借金の額

借金減額シミュレーターは、借金がどれくらい減るのかという目安を知ることもできます。

任意整理であれば、利息をカットした場合の支払額が計算できますし、個人再生であれば、借金の額の大きさに応じて減らせる借金の額が変わります。

自己破産であれば、なくせる借金と例外的に残ってしまう債務を教えてもらえることもあります。

過払い金が発生している可能性があるときは、過払い金による借金の減額の可否も教えてもらえることがあります。

借金減額シミュレーターのデメリット・リスク

借金減額シミュレーターは無料で利用できますが、次のようなデメリットがあります。

・診断と同じ金額を減らせるとは限らない

・弁護士や司法書士から連絡が来る

・安全ではない詐欺サイトの可能性がある

デメリットを一つずつ説明していきます。

診断と同じ金額を減らせるとは限らない

借金減額シミュレーターは、入力する情報が少ないため、正確な診断ができるわけではありません。あくまで「借金の減額が可能かどうか」、「どのくらいの借金が減らせる可能性があるのか」という目安を知るものです。

そのため、シミュレーションの結果と、実際に債務整理を依頼したときの減額できる金額が同じとは限りません。実際に債務整理を相談するときには、借金の状況や、借入先、収入などの細かな情報も伝えるため、くわしく計算をすることができ、より正確な診断をすることができます。

これに対して、借金減額シミュレーターでは、一部の情報しか入力しないため、どうしても精度が落ちてしまうのです。

そのため、正確な借金減額診断を受けるには、シミュレーション結果に記載されている連絡先に相談する必要があります。

弁護士や司法書士から連絡が来る

借金減額シミュレーターを利用するときには、「メールアドレス」や「電話番号」の入力が必要です。これは診断結果を受け取るのに必要なものです。

そのため、法律事務所から診断結果の連絡が来ることになります。連絡の際に債務整理を勧められることもあります。

もちろん、相手は法律事務所の人ですから、無理やり契約をさせられたり、連絡を断っているのに何度も電話がかかってきたりすることはありません。

弁護士には守秘義務がありますから秘密は守ってもらえますし、そもそもメールアドレスと電話番号だけでは個人を特定することも難しいため、それほど心配はいりません。

メールでの連絡を希望したり、連絡を受ける時間帯の希望があったりするときには、借金減額シミュレーターに備考欄があれば、そこに連絡方法の希望を記載しておくことで配慮してもらえることもあります。

安全ではない詐欺サイトの可能性がある

借金減額シミュレーターを悪用しているサイトも存在します。個人情報をだまし取ったり、違法な業者が債務整理を行うと持ち掛けて手数料をとったり、高額な利用料の支払いを求めてきたりすることがあります。

このような詐欺サイトにだまされないためには、弁護士事務所が運営している借金減額シミュレーターを使うことです。誰が運営しているのかわからないような借金減額シミュレーターは危険なので使用しないでください。

必ずだれが運営している借金減額シミュレーターなのかを確認するようにします。

たとえ弁護士を名乗っていたとしても、うその可能性もあります。そのため、WEBサイトをよく確認し、事務所の情報や記事などがきちんと書かれているのかなどをチェックしてください。

弁護士名や、弁護士の登録番号が事務所情報のページや、借金減額シミュレーターなどに記載されているはずです。名前や番号が分かれば、弁護士会の検索ページから本物の弁護士であるか確認できるので、不安な場合には検索してみるといいでしょう。

日本弁護士連合会

・弁護士検索（すべての弁護士の基本情報を確認できます）

まとめ

・借金減額シミュレーターは、無料で借金の減額の可否や、債務整理の方法、借金がどれだけ減額できるかを、簡単に診断できるサービスです。

・弁護士事務所の運営している借金減額シミュレーターは安心して利用することができます。

・借金減額シミュレーターは、借金の相談に抵抗のある人にも気軽に利用できるように運営されています。

・実際に借金を減額するには債務整理が必要です。

・借金減額シミュレーターによる結果は、あくまで目安なので診断結果と同じだけ減額されるとは限りません。

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本記事の監修弁護士　　前田祥夢（東京弁護士会所属）