金融機関の審査に通らない理由とその対処法
2023/08/25 08:17
目次
ローンやクレジットカードの申し込みをしても審査に落ちてしまうことがあります。
なかなか審査に通らないときには何か原因があるかもしれません。
原因を知ることで借金の審査に通ることもあれば、しばらくは審査に通らないことが分かるかもしれません。
金融機関からの借り入れができなくても公的な融資など代替手段もあります。
この記事では、金融機関の審査に通らない理由や対処法などを解説していきます。
金融機関の審査に通らない理由
借金を申し込んでも審査に通らないことがあります。
審査に通らない理由を見ていきましょう。
申込条件を満たしていない
ローンには申し込み条件があります。
金融機関によって条件はいろいろなものがありますが、多くの場合、以下のような条件があります。
・年齢が満20歳以上であること ・安定した収入があること ・高校生ではないこと |
金融機関やローンの種類によっては年齢制限が異なることもあります。
借入れ総額が適切な範囲を超えている
借金が多すぎると返済が難しくなるため審査に通りにくくなります。
特に、貸金業者の場合には「総量規制」というものがあり、年収の3分の1までしか借りることができません。
銀行であれば総量規制はありませんが、収入に対して借金が多すぎると審査が厳しくなります。
収入が審査基準を満たしていない
金融機関は収入を重視しています。
安定した収入があることが必要とされます。高収入であっても安定していなければ審査に通らないことがあります。また、転職した直後では安定していると判断してもらえないことがあります。
アルバイトやパートでも収入が安定していれば審査に通る可能性がありますが、正社員と比べると審査は厳しくなります。
信用情報に問題がある
信用情報に問題があると審査に通りにくくなります。
個人の借金などの情報は信用情報機関に記録されています。
長期の延滞など信用に問題がある記録を「事故情報」や「異動情報」などといいます。「ブラックリスト」と呼ばれることもあります。
事故情報があるとローンやクレジットカードを申し込んでも審査に通りにくくなります。
<関連記事>ブラックリストの消し方とは?信用情報をきれいにする方法を解説
複数の金融機関に連続で申込をした
2社以上の金融機関に同時にローンやクレジットカードの申し込みをしていませんか?
複数の業者に連続で借金などを申し込むと、「経済的に苦しいのではないか」と思われてしまい、「返済できないのではないか」と判断されてしまうことがあります。
実はローンの申し込みなどをすると、信用情報機関に「申込情報」として6か月間記録が残ってしまうのです。
そのため、他社にローンやクレジットカードの申し込みをしたときは間をおいて申し込みをした方がいいでしょう。
金融機関の審査に通らない人が借りるための対処法
以下の方法を知ることで自分に合う対処法が見つかるかもしれません。
自己の信用状況を確認する
審査は金融機関ごとに行われるため審査に通らない理由は明確にはわかりません。
ですが信用情報に傷がついている場合、それが原因である可能性があります。ブラックリストに載っていることが原因であれば、ブラックリストが消えないと審査に通ることは難しいです。
信用情報は自分で確認することができるので一度確認してみるといいでしょう。
信用情報の確認方法は、「クレジットカードのブラックリストとは?確認方法や対処法をご紹介」をご覧ください。
別の金融機関での融資を試みる
ローンやクレジットカードの審査の基準は金融機関ごとに異なります。
そのため、審査に落ちてしまったとしても別の金融機関であれば審査に通ることもあります。
例えば、審査に厳しい銀行系のローンの審査に落ちても、消費者金融のローンであれば審査に通ることがあります。
他社の延滞を解消する
滞納した事実は信用情報機関に記録されています。
短期間の返済の遅れであれば審査を通る可能性は十分にあります。ですが現在延滞している状況では審査が厳しくなってしまいます。そのため延滞を解消することが重要です。
ただし、借金を61日以上滞納してしまうとブラックリストに載る可能性があります。
延滞によるブラックリストの登録期間は契約終了日から5年となっているため、審査に通るには時間がかかる可能性があります。
他社の借入額や件数を減らす
他社に借金がある場合には審査が厳しくなります。
特に貸金業者の場合には総量規制により原則として年収の3分の1までしか融資してもらえません。
他社の借入額を減らすことができれば返済に余裕が生まれるため、審査に通りやすくなる可能性があります。
おまとめローンを検討する
おまとめローンとは、複数の借金を一本にまとめるローンのことです。
借金の額が大きいほど利息は低くなる傾向があります。
いくつもの業者から少額で借金をしていると利息の負担が大きくなります。
そのため、借金を一つにすることで月々の返済額が減る可能性があります。
貸金業者からの借金は、総量規制により年収の3分の1までしか基本的に融資してもらえません。ですがおまとめローンについては年収の3分の1を超えることが可能です。
総量規制の目的は、借りすぎによる返済できなくなる人を守ることにあるので、借主のメリットになるのであれば問題ないからです。
おまとめローンにより返済計画も立てやすくなります。複数の金融業者から借りていると返済期日がわからなくなってしまうからです。
このように、おまとめローンをうまく活用することで返済の負担を軽くすることもできます。
<関連記事>おまとめローンとは?カードローンをまとめて返済するメリット・デメリットを解説
どうしてもお金を借りられない場合の最終手段
銀行や消費者金融などの金融機関からの借り入れができない場合にも対処法はあります。
質屋を利用する
質屋は貸金業者とは異なり信用情報を利用していません。
持ち込まれた品物(質草)を担保にお金を貸したり、買い取ってくれたりするだけです。
質屋は買取りだけではなく貸し付けも行ってくれます。
ただし、担保として預けた品物は基本的に3か月程度で質流れになります。期限内に返済できないと品物を返してもらえなくなるのです。その代わりに利息も含めて返済義務はなくなります。利息を支払うことで期間を延長してもらうこともできます。
少額のお金が必要なときや一時的にお金が足りないとき、不用品の処分をしたいときなど質屋は便利な存在です。
公的融資を利用する
生活や事業が苦しいのであれば国からお金を借りる方法もあります。
生活が苦しいときには「生活福祉資金貸付制度」というものがあります。利息も低く無利子のこともあります。
以下の条件を満たすときには貸し付けを受けられる可能性があります。詳しくは市区町村社会福祉協議会におたずねください。
・低所得で金融機関から借金できない世帯 ・障害者のいる世帯 ・65歳以上の高齢者のいる世帯 |
取引先が倒産して事業が苦しいときには、日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付」が利用できることもあります。
(参考)貸し倒れによる損失を避けるための対策・対処法を詳しく解説
債務整理・任意整理をする
借金に困っているのであれば「債務整理」が有効です。
債務整理とは、借金などの債務の返済に困ったときに、なんとかしてくれる制度のことです。債務整理にはいくつか種類があります。代表的なのは、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つです。
<関連記事>債務とは?債権との関係や契約例を分かりやすく解説
任意整理
任意整理は借金の貸主と話し合うことで返済を楽にしてもらう方法です。
具体的には、利息を軽くしてもらったり返済期間を長くしてもらったりします。
過払い金があるようなときは別ですが、元本を減額してもらうことは難しいです。
分割払いの期間としては3年から5年が多いです。
任意整理に向いているのは利息の高いカードローンなどです。利息をカットしてもらうだけで毎月の返済がしやすくなります。
<関連記事>過払い金請求とは?請求できる条件と手続きをするデメリットを詳しく解説
個人再生
個人再生は裁判所を利用する手続きで、返済計画を提出し計画通りに返済すれば借金を大幅に減らしてもらえる手続きです。
5分の1から10分の1くらいに借金が減る可能性があります。
マイホームを手放したくない人のために、住宅ローンを残す方法もあります。
個人再生については、「借金救済制度とは?利用するメリット・デメリットを解説」もご覧ください。
自己破産
自己破産をして「免責」というものをもらうと、借金は原則として支払う必要がなくなります。
借金を根本的に解決するには自己破産が確実といえます。
もっとも、借金をなくしてもらう代わりに持っている財産の処分が必要となります。ですがすべての財産ではなく高価な財産が対象です。
破産した人にも生活があるため生活に必要な財産は残すことができます。
裁判所やケースによって残せる財産に違いはありますが、現金であれば99万円まで残せることも多いです。
<関連記事>自己破産をするには?やり方・手続きの流れや費用など詳しく解説
まとめ
・借金の審査に通るには一定の申し込み条件を満たす必要があります。年齢、安定した収入、高校生でないこと、信用情報に問題がないことが必要です。
・他の金融機関に申し込みをしてから6か月以内にローンやクレジットカードの申し込みをすると審査に通りにくいです。
・審査に通りにくいときは、自分の信用情報に問題がないか調べてみることも必要です。
・質屋や公的融資の利用を検討することも大切です。
・借金に困っているのであれば「債務整理」が有効です。
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借金の返済が難しいときには「債務整理」をおすすめします。
借金を完済できる見通しが立つのであれば心配ありませんが、もし完済できる見込みがないのであれば、一度専門の弁護士にご相談ください。
早めに相談することで問題は大きくならずに済みます。
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本記事の監修弁護士 前田 祥夢(東京弁護士会所属)