ギャンブルの借金は任意整理できる?依存症のリスクや任意整理について詳しく解説
2024/02/28 03:53
目次
ギャンブルで借金を作ってしまう方は多くいます。そのような方は「ギャンブル依存症」の可能性があります。
この記事では、ギャンブルで作った借金の解決法や依存症について解説します。
ギャンブル依存症のリスク
依存症とは、特定のなにかに心を奪われて、「やめたいのに、やめられない」という症状のことです。依存の対象となるものはいろいろなものがありますが、有名な所では薬やお酒、ギャンブルがあります。株式やFXであっても生活に支障をきたす状況にあれば依存症の可能性があります。
依存症は自分ひとりではやめられないという特徴があるので、誰かの助けを借りる必要があります。大事なことはひとりで抱え込まずに誰かに相談して助けてもらうことです。
ギャンブル依存症になると次のような問題が生じてしまいます。
金銭感覚が壊れる
ギャンブル依存症になると金銭感覚がおかしくなります。一般的な収入とは違い短時間で大金がやり取りされるからです。特に一時的とはいえ大金を手にしてしまうと一般的な金銭感覚がなくなりやすくなります。
その結果としてギャンブルに投じるお金の額がどんどん増えて、借金をしてでもギャンブルにお金を使ってしまうことになります。
直接ギャンブルに使うお金が増えるだけではありません。日常生活で使うお金の感覚もおかしくなります。ギャンブルに依存する前なら日用品の購入にも気を使い、できるだけ安いものを買っていたのに、ギャンブルに依存して金銭感覚がなくなってしまうと多少高くても気にしなくなってしまいます。パチンコや競馬、FXなどで「すぐにお金が手に入る」と思ってしまい、大した金額ではないと感じてしまうのです。
借金をしやすくなる
金銭感覚がおかしくなるとお金を使いすぎることになります。その結果、お金が足りなくなり借金をせざるを得なくなります。しかも、借金をしても大した金額ではないように感じます。ギャンブルに依存することで借金に対する抵抗感もなくしてしまうのです。
ギャンブルに依存するほど金銭感覚は狂い、借金を繰り返すことで金銭感覚はさらにおかしくなる、という悪循環が起こります。
<関連記事>借金返済の相談はどこでできる?無料で借金相談ができる8つの窓口をご紹介
ギャンブルによる借金を返済できないとどうなる
ギャンブルに依存し借金を繰り返すと必ず返済に行き詰まります。借金の返済ができないと以下のような問題が生じます。
取り立てが行われる
ギャンブルで借金を作り滞納していると数日くらいで自動音声やはがき等で催促されます。催促の際に改めて支払期日が指定されることが多いですが、その期日にも返済しないと督促状が届いたり電話での督促が行われたりします。
金融業者にもよりますが職場に電話をかけてきたり、自宅に訪問したりする業者もいます。有名なクレジットカード会社でも訪問することはめずらしくありません。
<関連記事>イオンカードの支払いを滞納するとどうなる?リスクや対処法を解説
ブラックリストへの登録
ギャンブルで作った借金を返せないとブラックリストに載ることもあります。ブラックリストというのは、信用情報機関に延滞情報などが記録されることをいいます。ブラックリストに載ってしまうと、5年間はクレジットカードの発行やローンを組むことなどがしにくくなります。
ブラックリストについて詳しくは、「クレジットカードのブラックリストとは?確認方法や対処法をご紹介」をご覧ください。
一括請求される
借金の延滞期間が2か月くらいになると、カードローンなどを強制解約されて借金の残額を一括請求される恐れがあります。ギャンブルに依存している状態では分割での返済も難しいため、一括で請求されてしまうと通常は返済できないため債務整理を検討することになります。
裁判所から訴状などが届く
借金の滞納が長引くと時効にかかる可能性があるため債権者は法的な手段をとる可能性が高くなります。法的な手段はいくつかありますが裁判所から訴状や支払督促が届くことになります。これらは「特別送達」という特殊な書留郵便で送達されますが、無視すると財産を強制執行される可能性が高くなるため適切に対応する必要があります。
適切に対処する自信がない方はすぐに弁護士に相談してください。ギャンブルに依存しているようなケースでは債務整理が必要なこともあります。
<関連記事>借金を滞納すると裁判になる?催促を無視するリスクや対処法を解説
財産の差押え
裁判に負けてしまったり支払督促を無視してしまったりすると財産が差し押さえられる恐れが高まります。
不動産や自動車などの大きな財産があれば競売されてしまうことがあります。
「大した財産はないから大丈夫」と思う人もいるかもしれませんが、給料や預金が差し押さえられることもあります。給料が差し押さえられると職場に借金のことがバレてしまいますし、迷惑も掛かってしまいます。
債務整理をしていれば守ることができたかもしれない財産まで失う可能性もあります。ギャンブルに依存して借金をしてしまい返済が難しいと感じたら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
<関連記事>借金はいくらからやばいのか?判断基準や対処法を解説
ギャンブルが理由で借金をしても任意整理は可能
ギャンブルに依存して借金を作ってしまった場合、債務整理が難しいと聞いたことがあるかもしれません。でもギャンブルで作ってしまった借金でも債務整理することは可能です。債務整理にはいくつか種類があります。
ここでは比較的ハードルの低い「任意整理」という債務整理の方法について解説します。
任意整理とは
任意整理というのは、お金を貸している人と話し合いをして無理のない返済プランを作る方法です。一般的には、利息をゼロにしてもらい3年程度の分割払いにしてもらいます。
自己破産の場合には借金の原因が調査されますが、任意整理の場合には返済できるかがポイントなのでギャンブルが原因であっても利用可能です。
元本は基本的に減らせませんが毎月の返済の負担が減るため、ギャンブルに依存して借金ができてしまった人でも完済できる可能性があります。
利息のカットができることも多いため、高金利のローンの場合に特に威力を発揮します(カードローンやリボ払いなど)。
そのほかの債務整理の方法については、「債務整理とは?債務整理の種類やメリット・デメリットを詳しく解説」をご覧ください。
任意整理の手続き
任意整理の流れについて説明します。
弁護士に相談
ギャンブルに限らず借金の返済に困ったら専門の弁護士に相談してください。特にギャンブルなどに依存して借金ができてしまった場合には一人で解決することは難しいので第三者に相談することが大切です。任意整理に限らず適切な債務整理の方法をアドバイスしてもらえます。
「直接相談するのはハードルが高い」という人は、借金減額シミュレーターを利用するのがおすすめです。
借金減額シミュレーターについては、「借金減額シミュレーターは怪しい?診断のからくりやデメリットを解説」をご参照ください。
取り立てのストップ・借金の調査
任意整理を任せることを決めたら弁護士から債権者に受任通知が送られ、金融業者からの取り立てがとまります。
それと一緒に借金の履歴についても業者に開示請求が行われます。現在の借金がいくらなのか利息制限法に基づいて計算し直します。過払い金があることもあります。
<関連記事>過払い金請求とは?請求できる条件と手続きをするデメリットを詳しく解説
返済プランの作成・交渉
収入の状況や借金額を元に返済計画を作り相手方と交渉します。一般的に利息のカットや3~5年の分割払いとなります。
業者によっては話し合いに応じてくれないこともあるため他の債務整理を検討することもあります。
返済の開始
交渉がまとまれば約束に従って指定された口座に返済をしていきます。
<関連記事>任意整理とは?メリット・デメリットや費用について詳しく解説
ギャンブルによる借金問題を弁護士に相談するメリット
ギャンブルに依存して借金を抱えてしまったら自分一人で解決することは難しくなります。弁護士に相談すると以下のようなメリットがあります。
取立てがストップする
弁護士が「代理人になりました」という通知を金融業者に送ると、借主から直接取立てをすることが原則としてできなくなります。これは「貸金業法」という法律で決められています。借金の悩みの一つが「取り立て」にあるので、弁護士に依頼することでこの悩みがなくなることは大きなメリットです。
自分で手続きするより借金を減額しやすい
債務整理は自分で行うのは簡単ではありません。例えば、任意整理については弁護士が代理人になっていないと交渉に応じてもらえないこともあります。仮に自分で債務整理しても交渉力に差があるため不利な内容で和解してしまうこともあります。
弁護士に任せることで借金を減額しやすくなり、面倒な交渉も任せることができます。
<関連記事>借金問題を解決する方法とは?解決したいときの相談先や手続きを詳しく解説!
まとめ
・依存症は「やめたいのにやめられない」状態であり、誰でもなる可能性があります。依存症は一人で解決することは難しいため第三者に相談することが必要です。
・ギャンブルに依存すると借金をしやすくなります。適切に対処しないと裁判になったり給料などを差し押さえられたりします。
・借金を滞納し続けるとブラックリストに載ることもあります。
・借金を2か月くらい滞納していると一括請求される可能性が高まります。
・借金の返済が難しいときは債務整理が必要です。借金が増えすぎると債務整理の手段が限られてしまうため早めに弁護士に相談することがポイントです。
債務整理でお悩みなら 弁護士法人 東京新橋法律事務所
ギャンブルで作った借金でお困りの方へ。
ギャンブルに限らず依存症により借金を増やしてしまう方は大勢います。
この場合、依存症と現在の借金の2つの対策が必要です。
依存症に関する相談先としては、「生活再建支援カウンセリング(日本貸金業協会)」などがあります。
借金そのものの相談は専門の弁護士に相談することが必要です。
私たちは「正しい知識が適切な選択を導く」をモットーに、1.中立・客観的で、2.正確かつ高度な専門的情報を、3.信頼性に責任を持って、提供します。
債務整理をご相談されたい方は、「借金減額シミュレーター」をご利用いただくか、「事務所概要」に記載の連絡先までお気軽にお問い合わせください。
依頼者の立場に立って、親切な対応と丁寧なご説明を心がけ、ご依頼案件の迅速な処理に努めます。
本記事の監修弁護士 前田 祥夢(東京弁護士会所属)