不動産の強制競売や、抵当権をはじめとした各種担保権の実行としての競売手続の結果、生じた競売目的物の換価代金が執行費用や不動産に付着した負担を弁済して剰余が発生する場合にのみ、競売による目的物の売買を許すとする原則剰余主義と言います。
例えば、1000万円の価値がある不動産について債権1000万円を担保する第一抵当権と、債権200万円を担保する第二抵当権が設定されている場合、第二抵当権を設定した債権者は、抵当権を実行して不動産を競売したとしても、不動産の換価代金は第一抵当権者の元に全て渡ることが考えられます。このような場合に、第二抵当権者になんら利益のない抵当権実行は許さないような規定(民事執行法63条)は剰余主義を前提にしているものと言えます。
そのため、債権回収の手段として抵当権実行等を考えている債権者は、その実行手続が剰余主義によって排除されないかどうか、弁護士に相談した上で実行することが望ましいと言えます。
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