転付命令とは、強制執行方法の一種であり、債務者の有する金銭債権などを直接債権者の元に移転させることを命令するものを言います。(民事執行法159条)
例えば、債務者が銀行預金を有している場合、債務者は銀行に対して預金債権を保有していることになるため、銀行は債務者の求めに応じて預金債務の履行をしなければならない地位にあります。この債務者の預金債権について転付命令を通じて債権者の元に移動させることによって、本来銀行は債務者に支払うべきであった預金債務について、債権者に対して履行することとなります。
このように、債務者が有する債権を債権者が代位して得ることによって、債権回収を図ることに、転付命令の目的があります。
もっとも、転付命令を出すにあたっては、債務者の債権について差押えをして処分禁止効を得るなど、多くの準備が必要になるため、転付命令を利用して債権回収を考える債権者は、弁護士に相談し、依頼するのが望ましいと言えます。
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