現存利益とは、現状利益として残存しているものを言います。この現存利益が問題になるのは、未成年者による法律行為の場面などで、例えば18歳の未成年者が無断で売却した100万円の車について、その売買契約を未成年者の親が取り消した場合、車を売却した未成年者は、現に残っている利益のみ返却すればいいこととなります。(民法121条)これによれば、未成年者が車を売却して得た100万円の内、30万円を使って遊んでしまっていた場合、残りの70万円を返還すれば足りることとなります。
そのため、未成年者をはじめとした制限行為能力者と契約をする場合は、このようなリスクがあるということを念頭に置いておく必要があります。また、制限行為能力者との契約が取り消され、現存利益として認められる分の金銭しか回収できなくなったような場合は、どこまでが現存利益として認められるか計算する必要があるため、弁護士に相談することが必要です。
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