法人はさまざまな専門家と顧問契約することがあります。特に会社などの企業にとっては経営アドバイザーとして弁護士事務所との顧問契約を検討することが多いと思います。

この記事では顧問契約の意味や法人が弁護士事務所と顧問契約するメリットについて解説していきます。

顧問契約とは

顧問とは相談することや意見を求めることを指します。そのため顧問契約とは専門的能力を有する人に対し相談や助言を必要なときに求めることができる契約のことをいいます。契約内容によっては単なる相談やアドバイスを求めるだけでなく事務処理を代行してもらうこともあります。

顧問契約の本質は必要なときに相談や業務を委任できる点にあるため個別の相談や業務の依頼の際には別途費用がかかることもあります。あくまで顧問契約の内容によりますが顧問契約は基本契約であり個別の業務については別契約となるからです。

顧問契約を結ぶ際には顧問契約の中にどのような内容が含まれあるいは含まれないかを確認しておくが大切です。

顧問契約とは違う業務委託契約

専門家に何かを依頼する際には通常「業務委託契約」を結ぶことになります。同じ専門家に依頼するのに顧問契約のほかに業務委託契約というものがあるため混乱されるかもしれません。

顧問契約はさまざまな分野における知識、経験、技術を持つ専門家にいつでも必要なときに業務を委任することを可能にするための契約です。

これに対し業務委託契約は個別具体的な事務処理等の業務について委託するためのものです。顧問契約の中に具体的な相談業務も含まれていればその顧問契約は業務委託契約の一つと見ることもできます。

例えば、企業法務について相談できる専門家がほしいと考えた場合に弁護士との間でいつでも相談できる契約を結んだのであればそれは顧問契約であり、具体的な債権回収などの依頼をしたときには債権回収に関する業務委託契約を結んだことになります。

顧問契約を弁護士と結ぶメリット

顧問契約を結ぶことで企業経営にかかわるさまざまな問題に対し万全の体制を構築することが可能となります。

迅速に問題解決ができる

企業経営において法的なトラブルは突然やってきます。取引先との取引上の問題や販売した商品の瑕疵をめぐる問題、役員や従業員に関するトラブルから営業車の交通事故まで問題は多岐にわたりいつ何が起きてもおかしくはありません。

顧問弁護士がいない法人では自社の法務部でその都度対応を検討し対処にあたりますが手に余ることも多く結局外部の弁護士に依頼するケースが少なくありません。また中小企業の場合には法務部自体置いていないこともめずらしくありません。

このような場合には一から弁護士事務所を探すことになりますがどの事務所が信頼できるのか判断するのに時間がかかることになります。トラブルは迅速に解決することが必要ですが実際に相談するまでに多くの時間がかかることになります。

顧問弁護士がいればトラブルが生じたときにすぐに相談することが可能です。自社の基本的な情報はすでに把握しているため効果的に対応することができます。

いつでも気軽に相談できる

法律事務所に相談に行くには敷居が高く感じます。自社の状況を正確に把握してもらうため直接法律事務所を訪れる必要があることが多く予約も必要であるため気軽に相談することは難しいといえます。

顧問弁護士がいれば自社の状況をすでに把握しているため気軽に相談することができます。電話やメールで対応できるケースも多く相談がしやすくなります。特に予約を入れなくても対応してもらえ必要な業務も迅速に行なってもらうことが可能です。

トラブルの予防が可能になる

企業法務の基本は予防法務にありトラブルを未然に防ぐことが基本です。業種ごとに遵守しなければならない法令がありますが法改正や判例変更に適応していかなければなりません。例えば、2020年4月1日から民法が改正され時効や保証、法定利率など多くのルールが変更されましたが知らずにこれまでと同様の対応をしていると思わぬトラブルが起きやすくなります。

顧問弁護士がいれば法律相談などを通じ最新の法令に基づき適切なアドバイスを受けることが可能です。

自社の状況に応じた柔軟な対応が期待できる

顧問契約を結んでいない通常の法律相談では自社の状況を十分に把握できないことも多く当たり障りのない一般的な回答しか得られないことがあります。

顧問弁護士であれば自社の基本情報を把握しているため個別具体的で実効性のある対応をしてもらいやすくなります。

法務部を設置する必要がない

上場企業や金融機関など法務部を設置する必然性のある法人もありますがそうでない企業にとって法務部の設置は負担が大きく簡単ではありません。特に中小企業の場合にはそこまで余力がないことが多くあまり現実的ではありません。一般にその企業の専門外の業務についてはアウトソーシングすることが多く法務についても例外ではありません。

顧問弁護士がいればいつでも法律相談が可能であり法務部を設置するよりも専門的な解決が期待できコストも少なくてすみます。

信用力が向上する

顧問弁護士がいる企業はコンプライアンスのしっかりした企業であると評価され信頼されやすくなります。取引先と契約する際にも顧問弁護士がいることがわかれば安心して契約してもらいやすくなり交渉に有利に働きます。売掛金債権が発生した際に「不履行時は顧問弁護士○○に回収を依頼する」旨記載することで未回収金の発生を抑止することもできます。

顧問契約の際に自社のホームページ等に顧問弁護士名を表示することが許可されているかご確認ください。

弁護士費用の軽減

顧問契約を結ぶことで法律相談料や債権回収等の個別の業務委託をする際に必要な費用が割引となることがあります。

優先して相談や依頼に応じてもらえる

法律事務所には顧問契約を結んでいない一般の相談者も多く訪れます。相談をする際には事前に予約を入れ約束の日時に事務所を訪れる必要があり急ぎの案件であってもすぐに相談できるとは限りません。

顧問契約をしていれば相談したいときにいつでも相談可能であり依頼も優先的に受けてもらうことが可能となります。

弁護士との顧問契約以外の方法

法人の顧問契約先としては弁護士以外の専門家もいます。

税理士

税務に関しては税理士と顧問契約を結ぶ方法もあります。

税理士は、1.税務代理、2.税務書類の作成、3.税務相談を業務として行うことが認められています。

経理や税金関係の業務を顧問税理士に任せてしまうことで本業に専念することが可能となり経理担当者にかかるコストの削減が可能です。

税金は知らないと余計に支払ってしまうことがあり顧問税理士がいれば節税することも可能です。

司法書士

司法書士は登記の専門家です。登記は不動産登記と商業登記に大別できます。不動産会社など登記に関する相談が多い企業では顧問契約を検討してもいいかもしれません。

特別に許可された司法書士については法律相談を受けることもできますが140万円以下の事案しか受けることができないため注意が必要です。

顧問契約を結ぶ際の弁護士事務所のチェック項目

弁護士事務所であればどこでも同じというわけではありません。価格のみで選ぶことは好ましくありません。以下のチェック項目を参考にしてください。

自社のニーズに合っていること

医師に専門分野があるように弁護士にも専門分野があります。得意分野は法律事務所のホームページに記載されているため事前にチェックすることが大切です。例えば、売掛金や未収金の回収に悩んでいるのであれば債権回収を専門にした法律事務所を顧問先にする必要があります。その際、実績や経験が豊富であるかも確認しておきましょう。

連絡が取りやすいこと

顧問契約の重要な目的の一つが必要なときにいつでも相談できることが挙げられます。いざという時にすぐに連絡がつかないのでは顧問契約をしている目的が半減してしまいます。トラブルが発生したときにすぐに相談可能な体制が整っていることは顧問先に選ぶ重要な要素となります。

ブランドイメージを守れること

弁護士が取引先や顧客などと交渉する場合には自社の代理人として行動することになります。企業には長年に渡る経営努力により培ってきたブランドイメージというものがあります。自社のブランドイメージを守れる信頼のできる事務所であるか確認する必要があります。

顧問契約先として表示できること

弁護士と顧問契約するメリットの一つが弁護士事務所と顧問契約を結んでいることを対外的に表示できることにあります。自社のホームページに顧問契約先として弁護士事務所名を記載できれば自社ブランドのイメージ向上につながります。顧問先を選ぶときには顧問弁護士の表示を許可しているか確認してください。

まとめ

・弁護士と顧問契約するメリットとしていつでも相談・依頼ができることが挙げられます。顧問弁護士がいないとトラブルが生じたときに一から弁護士事務所を探さなければならず対処が遅れます。

・顧問弁護士の存在を対外的に表示できるため信用力が向上します。未回収金の発生を牽制することにもなります。

・法務部の代わりとなり予防法務に強い企業経営が可能となります。

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当事務所は事業で生じた債権の回収に強い事務所であり実績も多数あります。

顧問契約は月9,800円のワンプランとなっており分かりやすくなっています。

※個別の法律相談・ご依頼は別途費用が必要です。

 

未収債権が発生した際にすぐに依頼可能であり専任スタッフが対応いたします。

依頼者様のブランドを守る債権回収が可能です。

顧問契約をしていただいている場合にはホームページ上で顧問弁護士として「弁護士法人東京新橋法律事務所」と記載していただけます。

請求書に「不履行時は弁護士法人東京新橋法律事務所に委託する」旨の記載も可能です。

※弊所が許可した債権に限ります。

少額債権(数千円単位)や債務者が行方不明など他事務所では難しい債権の回収も可能です。

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このような問題を抱えているのであればお気軽にご相談ください。