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養育費未払いの問題は子供の目線で考えることが大切です。衣食住、教育費や医療費などが不十分だと健康面も含めて将来に影響が出ることがあります。
また、養育費を支払ってもらうことで離れている親の愛情を感じることもできます。
それぞれの事情があるため一概には言えませんが、養育費を支払ってもらうことは子供の心身の成長にとって重要なため、可能な限り支払ってもらえる方法を検討することをおすすめします。
この記事では、養育費未払いの相談先や対処法などを解説していきます。
未払い養育費回収の現状
養育費は、離婚などにより婚姻関係がなくなっても支払う義務があります。親は子に対して生活保持義務があるからです。離婚の理由も子供には関係ありません。
養育費は債権の中でも回収率が低い
厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、離婚した父親側から養育費を受け取っている場合の受給状況は、28.1%となっています。離婚した母親側から養育費を受け取っている場合の受給状況は、8.7%となっています。
このデータから、養育費を支払ってもらうことが難しいと思われたかもしれませんが、実際には養育費の取り決め自体が行われていない方が半数以上となっています。
しかもその理由として、「相手と関わりたくない」というのが母子世帯の1番多い理由であり、父子世帯でも2番目に多くなっています。
つまり、はじめから養育費の請求をあきらめている方が多いのです。
養育費が滞納されがちな理由
養育費の取り決めをしない大きな理由は「相手に支払う意思や能力がないと思った」です。厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」では、養育費の取り決めをしていない理由の中で「相手に支払う意思や能力がないと思った」という理由を回答した割合がかなり高いことがわかります。
子供の養育にはお金がかかる。収入も、養育を考えると心許ない。しかし、離婚後の子供の養育のためのお金である養育費の回収率は非常に低く、離婚相手の支払いに期待していないために養育費の回収をあまり進めていない人が多いという現実があります。子供の養育のために養育費について見つめ直してみると共に、回収方法について考える必要があります。
養育費の未払いが起きたときの相談先
養育費の未払いが起きたときには、ひとりで悩まないことが大切です。ひとりで考え込んでしまうと悪い方に考えがちです。頼れる相談先を紹介します。
養育費相談支援センター
「養育費相談支援センター」は、「子ども家庭庁」から委託されている公益社団法人が運営している相談窓口です。
養育費や親子交流についての相談をメールや電話ですることができます(法律相談はできません。)。
相談方法 |
相談先 |
受付時間 |
メール |
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電話 |
03-3980-4108 0120-965-419(携帯電話不可) |
平日(水曜日を除く)(10:00~20:00) 水曜日(12:00~22:00) 土曜日・祝日(10:00~18:00) ※振替休日はお休みです。 |
WEB |
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※公式WEBサイトで最新情報をご確認ください。
法テラス
「法テラス」は国が設立した法的なトラブルが起きたときの相談窓口です。
経済的に余裕がない人には、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えなども行っています。
法テラスに電話やメールをすると手続きについての基本的な案内を受けることができます。収入や資産が一定の基準額以下の場合には無料の法律相談を案内してもらえます。相談は同じ問題につき3回までであることなど制限があります。
相談方法 |
相談先 |
受付時間等 |
電話 |
0570-078374(IP電話等不可) 03-6745-5600 |
平日(9:00~21:00) 土曜日(9:00~17:00) ※祝日、年末年始を除く。 |
WEB |
※公式WEBサイトで最新情報をご確認ください。
弁護士
養育費相談支援センターは法律相談を行うことができません。法テラスも適切な相談窓口を案内してくれるのが基本であり、経済的に余裕がない人に対しては、改めて無料法律相談を案内してくれるという仕組みです。相談回数が制限されていますし弁護士に依頼する必要があるときには別の手続きが必要となります。
相手が支払いに応じてくれないケースでは、最終的に弁護士を頼ることが多くなります。そのため、はじめから弁護士に相談した方が未払い養育費の問題を早く解決できる可能性があります。
未払い養育費を回収する方法
養育費未払いの原因はさまざまです。状況に応じて対応を変えていくことが大切です。
相手に連絡する
まずは相手に連絡することが重要です。請求されてから支払うつもりの方もいます。特に具体的な養育費の額を約束していないときには相手と交渉する必要があります。
ご自分で連絡が取りづらいときには、無理をせず弁護士に代理してもらってください。
養育費の取り決めがあるときに未払いとなっているときでも、相手に連絡をとることが基本です。単に支払いを忘れていることもありますし、相手になにか事情の変化があり支払いが難しくなっていることもあります。相手に連絡をとることで未払いとなっている原因を突き止める必要があります。
<関連記事>お金を貸した相手の住所がわからない場合はどうする?住所を調べる方法とするべきこと
家庭裁判所の制度を利用する
相手との話し合いでは養育費の額や支払方法などが決まらないことがあります。そのようなときには家庭裁判所の調停手続きを利用することが有効です。
調停は、裁判官と調停委員が交渉のお手伝いをしてくれます。相手と顔を合わせたくないようなケースでは、裁判所に配慮をお願いして別々に話を聞いてもらう形で手続きを進められることもあります。
話し合いがまとまらずに調停不成立となったときには、引き続き審判手続きというものに移行して、家庭裁判所が最終的な結論を出してくれます。
養育費の額や支払方法などが決まっているときには、履行勧告や履行命令というものを家庭裁判所から出してもらう方法もあります。この手続きをするには調停調書や審判書、確定判決が必要となります。
強制執行の手続をとる
調停調書や家事審判書、公正証書(執行認諾文言付き)があれば相手の財産を差し押さえて強制的に未払いの養育費を回収していくこともできます。相手の方が不動産や自動車などのめぼしい財産をお持ちでないと心配されるかもしれませんが、給料や銀行預金なども差し押さえることができます。
給料であれば将来の養育費についても継続的に差し押さえることができるため、手続きを毎回行う必要もありません。
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裁判所費用 |
電話での申出 |
効果 |
履行勧告 |
なし |
できる |
制裁なし |
履行命令 |
なし |
できる |
過料の制裁あり |
強制執行 |
あり |
できない |
強制的に回収できる |
<関連記事>養育費不払いの対処法|差し押さえできないケースも解説
弁護士に相談する
養育費の未払いがあったときにどうすればいいのか途方に暮れるかもしれません。自分で手続きをとろうにも、どういった手続きがあるのかよく分からないことが普通だと思います。手続きの方法が分かっても自分でできるのか不安に感じると思います。
ただでさえ養育費が未払いとなって不安でしょうがないのに、難しい手続きをしなければならないというのは負担が大きいと思います。
そのようなときにはとりあえず弁護士に相談されることをおすすめします。どのような方法があるのかアドバイスを受けたり、話を聞いてもらったりするだけで悩みは軽くなるものです。難しい手続きが必要なときには、そのまま弁護士に任せてしまうこともできます。
養育費の未払いを弁護士に相談するメリット
養育費の未払いを解決するためには弁護士に相談することが効果的です。弁護士に相談する具体的なメリットについて説明します。
離婚前から滞納の対策ができる
養育費は離婚前に額や支払いについて合意しておくことが重要です。
離婚前に弁護士に相談することにより、養育費の額の目安を知ることもできます。
養育費の未払い対策として公正証書の効果的な活用法や実際の作成、話し合いに応じず勝手に離婚届を提出しようとする配偶者への対策として離婚届不受理申出の提出を提案するなど、ケースに合ったアドバイスを受けることができます。
<関連記事>慰謝料の時効とは?時効の期間や中断方法など詳しく解説
相手にプレッシャーをかけられる
弁護士が代理人となることで相手に大きなプレッシャーを与えることができます。
養育費の未払いをしている方は、全員ではないにしても支払いをはぐらかしていれば支払わなくて済むと思っていることがあります。
弁護士が出ていくことで、こちらが養育費未払いの問題をうやむやにするつもりがないことを伝えることができます。未払いのままだと訴えられて給料などが差し押さえられるのではないかと不安に感じ、支払いに応じてくれる可能性があります。
事情に合った回収方法を提案してもらえる
養育費未払いの原因にはいろいろなものがあります。未払い養育費の回収は、必ず法的手段を用いなければいけないというわけではありません。また、法的手段を用いる場合にも、調停や強制執行など、事情によって適切な方法が変わってきます。適切な養育費の回収方法を選択することは、法的な知識がないと難しいことです。弁護士に養育費の相談をすることによって、事情に合った適切な方法を提案してもらうことができるというメリットがあります。
回収手続きを一任できる
未払いの養育費を請求するためには元配偶者と交渉する必要があります。弁護士に任せることで代わりに話し合いをしてもらうことができます。
また、法的な手続きが必要なケースでも、弁護士に依頼することで裁判所での手続きなど面倒な手続きを代わりにしてもらうことができます。
<関連記事>債権回収は弁護士に依頼した方がよいのか?メリット、注意点をしっかり、分かりやすく解説
まとめ
・養育費の未払いがあったときに泣き寝入りしてしまう方が多くいます。子供のためにできるだけのことをやってみることをおすすめします。
・養育費未払いの相談先として、「養育費相談支援センター」、「法テラス」、「弁護士」があります。
・家庭裁判所の調停手続きを利用する方法もあります。調停不成立となったとしても自動的に審判手続きに移行します。
・自分で相手との交渉や裁判所の手続きをとることに自信がないときは、弁護士に代理人となってもらうこともできます。
養育費未払いでお悩みなら弁護士法人東京新橋法律事務所
養育費の未払いでお困りの方へ。
養育費の話し合いをするだけでも大変だと思います。
相手の方と関わりたくない方も多くいらっしゃいます。
子育てだけでも大変なのに、本来支払ってもらえるはずの養育費が未払いとなってしまい、不安を感じていらっしゃると思います。
周りに親身になって相談に乗ってくれる方がいれば安心ですが、もしも頼れる方がいらっしゃらなければ、弁護士に相談してみることをおすすめします。
ご自分の状況を話すだけでも気持ちの整理がついたり、法的なアドバイスを受けることで安心したり、信頼できる弁護士だと思えたら相手との交渉を任せることもできます。
おひとりで悩んでいてもつらいだけです。
弁護士でなくても誰かに相談されることをおすすめします。