内容証明郵便は一般の方も利用できるサービスです。

この記事では、内容証明郵便を利用する方法や費用のほか、弁護士に依頼するメリットについても解説していきます。

 

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、誰から誰に対して、いつ、どのような内容の文書が差し出されたのか郵便局に証明してもらうサービスです(郵便法48条、58条1号)。郵便局に文書のコピーか5年間保存されます。内容証明郵便を利用することで差し出した文書の内容を客観的に証明できることになります。内容証明郵便は差し出した日も証明されます。配達された事実を証明してもらうにはオプションで「配達証明」を付ける必要があります。内容証明郵便は送り主の意思を明確に伝えたい場合、通知した事実や日付を証拠に残したい場合などに利用されます。

 

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内容証明郵便の出し方

内容証明には、「通常の内容証明」と「電子内容証明(e内容証明)」の2種類があり差し出し方法に違いがあります。

 

郵便局窓口での手続き方法

すべての郵便局が内容証明を取り扱っているわけではないため注意が必要です。集配郵便局など一定の郵便局のみのサービスとなっているため事前に確認しておきます。窓口で内容証明郵便を出す方法では次のものが必要です。

・送付したい文書

・送付したい文書と同じ内容の文書(謄本)2通

・差出人と受取人の住所氏名を記載した封筒

・郵便料金

・印鑑(訂正等の際に必要)

送付したい文書と、同じ内容の文書(謄本)2通の計3通が必要となります。謄本は差出人と郵便局が保管するためのものです。コピーによって作ることもできます。相手に送付する文書については用紙のサイズなどに特に決まりはありませんが、謄本については字数や行数などが決まっているので注意が必要です。内容証明の具体的な書き方については、「内容証明郵便の書き方とは?出し方、費用を解説」をご参照ください。

 

窓口を利用する方法のメリット

・文字数が少ない場合にはe内容証明よりも安く済む可能性

 

窓口を利用する方法のデメリット

・文字数が多い場合にはe内容証明の方が安くなることがある

・内容証明郵便に対応していない郵便局もある

・受付時間が決まっている

 

e内容証明(電子内容証明)での手続き方法

「e内容証明(電子内容証明)」は、インターネットから内容証明郵便を送る方法です。窓口から送る方法と比べると封筒や用紙を準備しなくていいことや大量の発送がしやすいというメリットがあります。「e内容証明」の利用方法は、「Webゆうびん」サービスの利用登録が必要です。Webゆうびんに登録してログイン後、Word形式で作成した内容証明文書をアップロードして差出人などを記入します。Word形式は指定されており、専用のひな型を使用して文書を作成することになります。一般的な設定で作成すると1枚あたり1,584文字を入力可能です。アップロードが完了すれば機械で自動的に印刷から封入、発送までしてくれます。

 

ネットによる方法のメリット

・文字数が多い場合や複数通を送付するケースでは料金が安くなる

・封筒や用紙の準備が不要(上質な紙に印刷して送付される)

・郵便局に行く必要がない(24時間受付、待ち時間不要)

・大量の差し出しに向いている(複数の宛先に送付可能)

 

ネットによる方法のデメリット

・指定のWordファイルで作成する必要がある

・料金の支払い方法がクレジットカードや料金後納である

・送る内容が少ないときには窓口よりも割高

 

内容証明郵便にかかる費用

内容証明郵便の費用は窓口から出す方法とネットで出す方法で異なります。料金は2025年9月22日時点のものです。

 

郵便局窓口から出す場合の費用

基本の郵便料金にオプション料金としてプラスされる形になります。

 

内容

料金

郵便料金

110円~

内容証明料金

1枚480円(2枚目以降290円)

一般書留料金

480円

配達証明料金

350円

合計

1420円~

※1枚520文字まで

 

e内容証明(電子内容証明)で出す場合の費用

通常の料金とは異なる料金がかかります。例えば、差出人も文書の謄本を受け取りますが郵送してもらう必要があるので特別な料金がかかります。

 

内容

料金

郵便料金

110円~

電子郵便料金

1枚目19円(2枚目以降6円)

内容証明料金

1枚382円(2枚目以降360円)※

一般書留料金

480円

配達証明料金

350円

謄本送付料金

304円※

合計

1645円~

※複数の人に送付するときには料金が異なることがあります。

 

内容証明文書の内容(文字数、通数)が多いケースでは、e内容証明の方が1枚あたりの記載できる文字数が多いため窓口よりも安くなります。

 

内容証明郵便を発送する際の注意点

内容証明郵便を発送する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。

 

必要項目をすべて満たしているか確認する

内容証明郵便を送る理由がクーリングオフや契約の解除など法律上の効果を生じさせるためであるときには記載する必要のある項目をすべて記載しているかをよく確認することが大切です。また契約の解除権が契約違反や一定の期間の経過などを要件とするときにはその要件を満たしているか確認する必要があります。

 

形式上のルールを守る

内容証明郵便を利用する際には形式的なルールがあります。特に謄本については文字数や行数の制限があるため注意が必要です。郵便局のWEBサイトで書き方を確認することが大切です。

内容証明郵便の書き方については「内容証明郵便の書き方とは?出し方、費用を解説」もご参照ください。

 

伝えたいことを明確に記載する

せっかく内容証明郵便を送付したとしても内容が不明瞭であっては意味がありません。「何をしたいのか」、「何をしてほしいのか」を明確に記載します。例えば、金銭を請求する場合には支払期日を明記し、期日までに支払いがなかった場合の対応を記載します。

 

<関連記事>家賃滞納が起きた場合の内容証明郵便の書き方を詳しく解説

 

配達証明を付ける

内容証明郵便はいつ差し出されたかはわかりますが配達された事実までは証明されません。しかし意思表示は相手に到達することが重要であるため多くのケースで配達された事実を証明できることが必要です。この場合オプションで配達証明サービスが用意されているため特に理由がなければ配達証明も一緒に申し込むことが大切です。

 

弁護士に内容証明作成を依頼するメリット

内容証明郵便は一般の人が送ることも可能ですが、弁護士に依頼することでさまざまなメリットを得ることができます。

 

法的観点から適切な表現・構成で文書化できる

内容証明郵便は証拠として残るという特徴があります。これはメリットであると同時に文書の内容によっては不利になることもあるので注意が必要です。時効対策や契約の解除など法的な効果を生じさせるには、その要件を満たす事実を記載する必要があります。形式的に内容証明を送付しても期待した法的な効果が認められないおそれがあります。弁護士であれば適切な表現、構成で内容証明を作成することが可能です。

 

<関連記事>時効の中断とは?民法改正による変更点など詳しく解説

 

相手方への心理的プレッシャーを高める効果

内容証明郵便を弁護士が送付すると訴訟等の法的手続きが現実味を帯びるため相手方に強いプレッシャーとなります。

 

交渉窓口を一任できることで対応負担を軽減

内容証明郵便は手段であって目的ではありません。相手からの反応があった場合に適切に対応できることが重要です。もしも相手から内容証明の内容に反論がされた場合に法的な根拠を示すことができないと状況が悪くなることがあります。弁護士に対応を任せることで適切に処理してもらうことができます。

 

不達・拒絶・応答拒否などへの柔軟な対応が可能

内容証明は受け取ってもらえないと差出人に返送されることになります。意思表示は原則として相手方に到達したときに効果が生じますが、実際に返送されてしまったときには何らかの対応が必要なことがあります。例えば、お金の支払いを求めたのに内容証明郵便が戻ってきてしまったときには法的な手段を考える必要があります。弁護士であれば法的手段を含めて柔軟に対応することが可能です。

 

※意思表示の中には発信時に効果が生じるものもあります(クーリングオフなど)。

 

<関連記事>内容証明郵便を拒否・無視された場合の対処法|内容証明郵便の効力を弁護士が解説

 

まとめ

・内容証明郵便とは、手紙の内容や受取人、差出人、差出年月日(と時間帯)を郵便局に証明してもらう制度です。配達証明はオプションです。

・内容証明郵便を出す方法には、郵便局窓口とインターネットで手続きをとる2つの方法があります。

ネットから内容証明郵便を送る方法は封筒や用紙を準備する必要がないというメリットがあります。

・弁護士から内容証明郵便を送る方法は相手に強いプレッシャーを与えられるメリットがあります。交渉を一任することも可能であり負担を軽減できます。

 

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※記事の内容は執筆された当時の法令等に基づいております。細心の注意を払っておりますが内容について保証するものではありません。お困りのことがあれば弁護士に直接ご相談ください。