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ネットショップは対面のお店と異なる特徴があります。対面での販売よりも売掛金が発生しやすく、遠方に居住している顧客の割合も高くなります。
この記事ではネットショップにおける債権について解説します。
ネットショッピングの債権回収問題
ネットショップを利用した買い物は年々増えています。総務省が平成29年と令和3年に発表した「情報通信白書」によると、日本の2人以上の世帯ではネットショッピングをする世帯の割合は、2002年にはたった5.3%でしたが2016年には27.8%にまで増え、さらに新型コロナウイルスの影響を受けて2020年3月以降は50%以上となることが増え、2024年9月は54.7%となっています(総務省統計局「家計消費状況調査」2024年9月分結果)。ネットショッピングへの支出は、利用世帯に限り2016年には月当たり1世帯30,678円、2023年には42,937円となっており増加傾向にあります(家計消費状況調査年報(令和5年)結果の概況)。
携帯端末の普及や、ネットショップを出店することの手軽さもネットショッピングの増加傾向を後押ししている状況です。総務省のデータによると、2011年のスマートフォン保有率は約11%でしたが、2016年には約57%にまで増えています。世帯保有率でみると2023年時点で90.6%となっています。スマートフォンを持たずパソコンしか利用していない世帯もあるため実際上ほとんどの家庭でネットショッピングが可能となっています。
ネットショッピングの利用増加に伴い債権トラブルも増えることになります。対面式のお店と違い後払いで決済することも多いからです。後払いでなくても返品された商品に問題があり代金を請求し直すこともあります。
ネットショップで発生する債権の特徴
ネットショップで発生する債権には以下のような特徴があります。
小口である
ネットショッピングではWEBサイト上で欲しい商品を細かく選択することが可能です。特に個人を主なターゲットにしているネットショップでは一度に大量の商品やサービスを購入することは想定していません。企業間のように大きな取引を繰り返すのではなく不特定多数の個人と小さな取引を繰り返すという特徴があります。債権も月末などにその月の分を一括払いするケースより少額の債権が次々と発生するケースの方が多くなります。
注文によってどんどん増える
ネットショップでは注文を受け付けている限り24時間購入可能であり債権が発生することになります。
債権回収と本業との両立が必要
ネットショップでは対面販売のお店と異なり債権回収業務が発生しやすくなります。販売を続けながら債権回収も行いどちらも両立しなければなりません。
ネットショップで未払いされた際の督促方法
ネットショップで未払いの債権が生じたときは以下のような流れで督促します。
メールによる督促
ネットショップの利用の際はメールアドレスを登録してもらいます。そのため最初はメールで催促することが一般的です。メールの場合には定型的な文面を用意して一斉に催促することが可能であり、電話や郵便のように利用の際に特に費用も掛かりません。
電話や郵便による督促
メールによる督促で債権を回収できなかった場合にはほかの方法を考えることになります。電話による連絡は効果的な債権回収方法の一つです。郵便と違ってすぐに相手と連絡が取れる可能性がありますし、連絡が取れたときには相手に支払いの約束をしてもらうこともできます。一方でデメリットとしては相手が電話に出ないと用件を伝えられないことです。また件数が多いと対応に時間や労力がかかるという問題もあります。
郵便による督促はメールを読んでもらえない場合や電話に出てもらえない場合にも督促できるメリットがあります。ただし、督促状を郵送してもほかの郵便物に紛れて読んでもらえない可能性はあります。また郵便の方法は時間や郵送料がかかることがデメリットといえます。
法的手段の予告
ネットショップの債権回収の際に法的手段を予告することも一般的です。支払いに応じない場合には訴訟を提起することや、顧問弁護士に債権回収を依頼することを警告します。
顧問弁護士名をネットショップのHP上に表示するなど「はったり」と思われないようにする工夫も大切です。
<関連記事>顧問弁護士とは?役割や弁護士との違いを解説
ネットショップの債権回収方法
通常の督促では効果がない場合にはより強力な方法を検討します。
内容証明郵便
ネットショップでの債権回収の基本は相手に適切なプレッシャーをかけることです。内容証明郵便による督促は郵便局で一定の手続きを踏まないと利用できないため、ネットショップ側の債権回収の意欲が伝わり相手にプレッシャーとなります。手渡しされるため他の郵便物に紛れて間違って捨てられてしまうこともありません。
ただし、相手が意図的に支払わないケースでは内容証明に慣れてしまっていることがあり、そのような相手には効果が期待できません。
<関連記事>内容証明郵便を拒否・無視された場合の対処法|内容証明郵便の効力を弁護士が解説
支払督促
ネットショップの債権回収手段として支払督促も考えられます。支払督促を利用すると簡易裁判所の書記官から支払いを命じてもらうことができます。
デメリットとしては、異議申し立てをされてしまうと相手方の住所地の裁判所で通常の訴訟をすることが挙げられます。ネットショップの顧客は遠方に居住していることもあるため注意が必要です。
少額訴訟
ネットショップの債権は少額であることが多いため少額訴訟も検討できます。60万円以下の金銭債権について簡易な手続きで訴訟ができる制度です。支払督促と異なりネットショップ側の住所地を管轄する裁判所に申し立てできます。
<関連記事>少額訴訟とは?向いているケースや成功させるポイントを詳しく解説
警察への被害届
ネットショップは商品をだまし取られることがあります。このような詐欺被害にあった場合には刑事事件として捜査してもらえる可能性があります。ただし、途中で支払うつもりがなくなったケースではだまし取ったわけではないため詐欺とはいえません。
詐欺に当たりうるケースでも立証は大変であり実際に対応してくれるとは限りません。
ネットショップとしては債権回収が目的のため、まずは警察ではなく弁護士に相談されることをおすすめします。
<関連記事>貸したお金が返ってこないとき警察に相談するのはアリ?取るべき対処法を紹介
ネットショップの債権トラブル対策
ネットショップの経営では以下の点に注意します。
書面や記録の保管をしっかりする
書面や記録を適切に管理することで債権トラブルを減らすことができます。仮にトラブルが生じたとしても根拠となるデータが残っていれば適切に対応可能となります。
帳簿や商品の発送表、受注時のメールなど証拠になるものは適切に分類していつでも確認できるようにしておきます。
<関連記事>売掛金管理とは?管理の仕方やトラブルの対処法を解説
後払いサービスをやめる
ネットショップの債権トラブルを減らす方法の一つとして後払いサービスをやめることも選択肢です。カード払いや銀行振り込み、代金引換などで対応する方法です。
しかし、売り上げの減少が伴うため慎重に判断する必要があります。また返品処理に伴う商品のすり替えなどの問題は残る可能性があり後払いサービスをやめたからといって債権トラブルがすべてなくなるわけではありません。
マニュアルも作っておく
債権トラブルへの対処マニュアルを作っておくことも重要です。お客さんが売買代金を支払ってくれないからといって、どんな督促も許されるわけではありません。1日に何度も電話をしたりメールを送信したりすると問題になることがあります。脅迫などの度を超えた督促は違法行為として訴えられる可能性もあります。
弁護士に相談してメールや電話で督促する場合に気をつけることを確認しておいたり、督促のための文章テンプレートを作成しておいたりすることも債権トラブル対策として大切なことです。
<関連記事>法人での顧問契約とは?弁護士事務所と契約するメリットを解説
まとめ
・ネットショップの債権は1件あたりの債権が少額であるという特徴があります。そのため費用対効果を考えて効率よく債権回収することが必要です。
・債権回収と本業とのバランスをとる必要があります。債権回収業務に時間や労力がとられている場合には対策が必要です。
・債権回収を効率よく適法に行うには対応マニュアルの整備が必要です。顧問弁護士に相談するなどして作成しておきます。
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