「投資すれば必ずもうかる」など詐欺師は甘い言葉を使って誘惑してきます。ですが投資にはリスクが伴います。「必ずもうかる」、「絶対損はさせない」などの言葉を使って投資を勧誘している時点で違法の疑いがあります。
この記事では、投資詐欺の代表的な手口や、信頼のできる弁護士の見極め方などについて解説していきます。
投資詐欺の種類
投資詐欺は多様ですが基本的には「大きなリターン」を期待させてお金をだまし取る手口です。代表的な投資詐欺の種類について解説していきます。
未公開株・社債販売詐欺
未公開株とは、証券取引所に上場されていない株式のことです。
このような未公開株について、「上場予定であり100%値上がりする」などと説明し、未公開株を買わせる方法です。
実際には上場される予定がないケースも多く詐欺に当たる可能性があります。中には実在しない会社の株式を販売するケースもあります。
株式だけでなく「社債」を販売するケースもあります。実際には価値の低い社債を実際よりも高額で売りつけるのです。
有価証券の売買を業として行うには金融商品取引法における登録を受けなければなりませんが、このような販売を行う者は無登録のケースも多くあります。無登録業者から未公開有価証券を購入したのであれば原則として契約を無効にできます(金融商品取引法171条の2第1項)。
事業やプロジェクトへの投資
新しい事業やプロジェクトを始めるとの名目で投資を求められることがあります。確実に利益が出るなどと勧誘してきますが事業計画自体が架空のことがあります。
仮想通貨(暗号資産)詐欺
仮想通貨は国家によって発行されている通貨ではありません。そのため正確には「暗号資産」といいます。仮想通貨は裏付けとなる財産がないため価格が乱高下しやすいという特徴があります。価格が高騰しやすいことから詐欺の手段となりやすくなっています。
仮想通貨にはさまざまな種類があり一般的でない仮想通貨について、「将来確実に値上がりする」などと持ち掛けて高値で買わせようとします。なかには存在すらしていない架空の仮想通貨に出資させる手口もあります。
外国通貨への投資(海外FX)
開発途上国の通貨への投資を呼び掛けてくる詐欺の手口もあります。自宅にパンフレットが届き、ある国では大規模なプロジェクトが計画されているため、その国の通貨が確実に値上がりするので購入した方がいいなどと書いてあります。
通貨自体は手元に届くことも多いですが国内での換金が難しい上、本来の価格よりも高額で購入しているため大きな損害を被ることになります。
FX(外国為替証拠金取引)に関して自動売買プログラムの販売を行う手口もあります。「お金を預ければ自動的に利益が出る」と説明しながら出金を拒否されたり、成績を偽ったプログラムを販売したりするケースがあります。
投資詐欺の手口
代表的な投資詐欺の手法には以下のようなものがあります。
劇場型
劇場型とは、複数の詐欺師が協力して人をだます手口のことです。詐欺師がそれぞれの役割を演じるため劇場型といわれます。
例えば、外国通貨詐欺のケースで、A社からパンフレットが届きX国の通貨は将来有望で値上がりするなどと書いてあり、数日後にB社からX国の通貨を持っていたら高額で買い取るなどと電話が来ることがあります。通貨を申し込んでしまってもB社は理由を付けて買い取ろうとはしません。
劇場型詐欺は振り込め詐欺などでも使われる巧妙な手口であり誰でもだまされる可能性があるため注意が必要です。
プロ向けファンド
プロ向けファンドも社会問題になった手口です。
プロ向けファンドは、プロの投資家向けの投資信託(ファンド)のことです。
本来、一般消費者向けのファンドは金融庁の登録を受ける必要があり行政上の監督を受けることになります。
プロ向けファンドは一般消費者向けの商品ではないため規制が緩くなっていることを悪用したものです。知識の少ない一般消費者にリスクの高い商品を販売するのです。
プロ向けファンドの運用や販売を行う際は登録ではなく届出で済みますが、「金融庁から認められている」、「プロ向けの特別な商品」などをうたい文句にして投資を勧誘します。
現在は規制が強化されていますが似たような手口には今後も注意が必要です。
ポンジ・スキーム(自転車操業型)
ポンジ・スキームとは、投資された資金を運用して得られた利益を投資家に配当すると説明しながら、資金運用は実際にはせず、後から投資した人たちの出資金を配当として支払う詐欺の手口です。運用益はないため確実に破綻します。
「ポンジ」は実在する詐欺師であり、その手口が名前の由来です。
投資詐欺の多くでポンジ・スキームが利用されています。この詐欺の手口の特徴はしばらくの間は配当金が支払われているため被害に気づきにくい点です。その結果として被害者の数や被害金額が大きくなります。
投資詐欺の被害にあわないための注意点
投資詐欺の被害にあわないためにはいくつかの注意点があります。
登録業者か確認する
一般投資家などに対してファンドへの投資を勧誘できるのは金融庁から登録を認められた事業者に限られています。
そのため、無登録業者が出資を募っているケースでは違法の可能性があるため注意が必要です。登録業者であれば金融庁のホームページから確認することができます。
おいしい話にはウラがある
「高配当」、「リスクがない」、「確実に儲かる」などが詐欺師の常とう句です。
大きなリターンを得るためにはリスクも大きくなるのが普通です。いいことばかりを主張しリスクについて過少に説明する人には気を付ける必要があります。
投資する前に第三者に相談をする
詐欺師の手口には劇場型などがありますが、これは正常な判断をさせないための手法です。判断力を低下させることでお金をだまし取りやすくします。一度だまされると損失を取り戻そうとして焦りますが、これも判断力を低下させる原因になるため付け込まれやすくなります。「解約のためには手数料が必要」などと説明され、さらにお金をだまし取られることになります。
自分の判断力は詐欺師の手口によって低下させられてしまうため、第三者に相談することが有効です。身近に信頼できる人がいればその人に相談することです。その人が客観的に見ておかしいと気づける可能性があるからです。
すでに詐欺の被害にあってしまったときには被害を拡大させないことが大切です。そのために身近な相談相手を見つけておくことは重要です。
投資詐欺被害の解決を弁護士に依頼するメリット
投資詐欺にあったときに弁護士に相談するメリットや、弁護士の選び方について解説します。
適切な回収方法がわかる
投資詐欺の被害を回復させるには、加害行為の立証や加害者の特定、被害回復のための法的構成、相手方の財産の現状など検討しなければならないことが多くあります。
投資資金の回収が目的であるため相手方と交渉したり振り込め詐欺救済法を利用したり、預金等の口座を仮差押えして資金の移動を止めるなど色々な方法が考えられます。
残念ながら回収が難しいケースもあります。信頼のできる弁護士であれば回収の見通しについて説明してくれます。
例えば、国際ロマンス詐欺は回収がとても難しいものです。これはネットで知り合った相手に恋愛感情を抱かせて投資や手数料などの名目でお金をだまし取る詐欺の手口です。名前もどこに住んでいるのかも分かりませんし仮に特定できたとしても相手が国外にいる場合には手段が限られます。信頼のできる弁護士であれば回収の見込みが低いことをきちんと説明してくれます。逆に簡単に取り戻せるような説明をしたり、高額な着手金を請求されたりするときには注意が必要です。
詐欺被害の回復は必ずできるとはいえません。不安な場合には成功報酬制で着手金不要の事務所を検討するといいでしょう。
弊所も悪徳商法被害のケースでは着手金を一切いただいていないため、お気軽にご相談ください。オンライン対応も可能です。
相手にプレッシャーをかけられる
弁護士が乗り出せばそれだけで相手方に対する圧力となります。相手方の行為に違法の疑いがあれば刑事、民事、行政法上の問題点を一つ一つ指摘することで相手方にプレッシャーがかかります。これにより示談交渉を有利に進められる可能性があります。
請求手続きを代行してもらえる
投資詐欺の被害者本人が加害者に直接被害金を請求していくことは簡単ではありません。詐欺師は口がうまいため人によっては言いくるめられてしまうおそれもあります。
弁護士が代理人になればすべて交渉は代わりに行ってもらえます。
刑事告訴を受け付けてもらいやすくなる
投資詐欺は詐欺罪など犯罪として処罰してもらえる可能性があります。そのためには警察に刑事告訴する必要があります。ところが投資詐欺は犯罪にあたるか判断がつきにくいケースが多くあります。警察は民事の問題には介入しないように気を付けているため刑事告訴を敬遠します。そのため一般の人が刑事告訴しても受理してもらえないことがあります。刑事告訴を受けると捜査の義務が生じるからです。犯罪の証拠が不十分な状態ですべてのケースで捜査をするのは現実的でもありません。
弁護士が代理人として刑事告訴するのであれば投資詐欺を示す十分な証拠を集めている可能性が高いため受理されやすくなります。
まとめ
・投資詐欺は、未公開株や仮想通貨などへ投資すると「必ず儲かる」などと勧誘してきます。投資にはリスクがあるため「甘い言葉」には注意が必要です。
・劇場型の詐欺が増えています。手口が巧妙なため誰でもだまされる可能性があります。「うまい話」や「トラブル」があったときには信頼できる人に相談することが大切です。
・投資詐欺の被害にあったときには被害を拡大させないことが大切です。あせって取り戻そうとすると被害が大きくなります。弁護士など信頼できる人に早めに相談してください。
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