目次

債権回収を弁護士に相談する5つのメリット

メリット①仕事に専念できる
メリット②回収方法の提案
メリット③費用倒れの心配がない
債権回収における弁護士費用の考え方
弁護士への無料相談を活用する
メリット④債権回収がスムーズ
メリット⑤法的な対策とフォロー
将来的な債権回収トラブル対策
さいごに

最近厚生労働省の推進する働き方改革を受けて、副業を解禁する企業が増えています。副業の解禁に伴い、会社員でありながらフリーランスとして仕事をする人も増えており、会社員と同じく「日本の代表的な仕事のかたち」の1つといえます。またた、2018年度税制改正により、フリーランスの税金にも変更がありました。
 
フリーランスには多様な職分があり、活動分野は文筆や描画、プログラミング、デザインなど多岐に渡ります。会社員との兼業や専門など、仕事の仕方や時間の取り方も様々です。しかし、働いた分あるいは成果物に対して報酬が支払われるという点では、他の仕事と変わりません。
 
フリーランスの仕事の中には、単価の高い仕事も少なくありません。数百万円単位の単価になることもあります。また、同一の企業から毎月仕事を受注し、五月雨式に小口債権が発生することもあります。「売掛金の回収ができなければ利益なし」と言うように、フリーランスも「報酬が支払われなければ利益なし」「報酬の回収ができなければ、経費で赤字」になってしまうのです。
ですから「報酬(債権)をきちんと回収できるか」そして「回収が難しい時はどのように対処するか」を考えておくことは、とても大切なことです。
そのため、フリーランスが弁護士に報酬の回収を相談することには大きなメリットがあります。このサイトではメリットを5つに分類してそれぞれの項目についてお話します。
 

 
○フリーランスが弁護士に債権回収の相談をするメリットは、
「仕事に専念できる」
「自分に合った債権回収の方法を提案してもらえる」
「費用倒れを防ぐことができる」
「相手が企業でも、債権回収の話がスムーズに進みやすい」
「法的なフォローや債権回収対策の提案を受けることができる」5つです。
 

■メリット①仕事に専念できる

 
フリーランスの中には専業の方と兼業の方がいます。専業の方は自由業という働き方の特性上、経理や営業も自分自身で行うことが多いのが現状です。兼業の方は、会社員などにも従事しているため仕事時間が長くなりがちです。債権回収のためにクライアントである企業側に働きかけをする時間を捻出することも、なかなか難しいのではないでしょうか。
 
弁護士に債権の回収を相談すると、債権回収に必要なアクションは基本的に全て弁護士に任せることができます。報酬の支払い状況や額などをヒアリングによりチェックします。その後に、必要に応じて内容証明郵便の送付や、相手方への連絡などを、債権回収を受注することになった担当弁護士が行います。クライアントは自分の仕事に専念することができるというメリットがあります。
 
深い法的な知識がないと判断が難しい事柄が多いことも債権回収トラブルの特徴です。例えば、「報酬が未払いである」ということはわかっていても、その債権の時効がどうなっているかを判断することは難しいことです。弁護士に相談すれば、時効などの深い法的な知識が必要な部分についても確認してもらうことができるというメリットもあります。
 

■メリット②回収方法の提案

 
債権の回収と言われて真っ先に連想するのは訴訟ではないでしょうか。債権問題などの法的トラブルの場合、「すぐに訴訟に発展するのではないか」と考えてしまう方は少なくありません。しかし、その考えは間違いです。債権の回収方法には、いくつかの種類があります。必ず訴訟で決着をつけなければいけないというわけではありません。債権の状態や相手方の態度、クライアントの意向により、債権の回収方法を柔軟に選ぶことも可能です。
 
債権の回収方法は、大きく分けて「裁判所を使わない方法」と「裁判所を使う方法」の2つがあります。裁判所を使わない方法には、「内容証明郵便による督促」や「任意交渉」などがあります。

裁判所を使う方法には、「通常訴訟」「少額訴訟」「手形訴訟」「調停」「支払督促」「強制執行」などがあります。

各種の回収方法の中から債権の状態に合わせて回収方法を選択することは難しいことです。深い法的な知識と債権回収の経験を要します。
 
フリーランスの職域はとても広いものです。だからこそ、弁護士に相談するメリットがあります。弁護士は、フリーランスの仕事内容や債権、契約内容に沿って適切な債権の回収方法を提案することができます。自分自身が各種の債権回収方法を調べて選択するという手間を省くことができるというメリットがあります。また、「回収方法の選択をミスして、1円も回収できなかった」「大失敗だった」という最悪の事態を回避することもできます。
 

■メリット③費用倒れの心配がない

 
弁護士に相談する場合、多くのフリーランスが心配するのが弁護士費用の問題です。

「債権の回収ができても依頼費用でマイナスになるのではないか」「債権より費用の方が高額になるのではないか」「債権を回収した後に高額の成功報酬を請求されるのではないか」と心配する方もいます。

債権を回収できても費用倒れが発生しては意味がありません。債権の回収は「債権を回収できて、なおかつ経費や弁護士費用を差し引いてプラスになること」が成功です。費用倒れが起こらないかどうかは、債権回収における最大の懸念事項ではないでしょうか。
 

・債権回収における弁護士費用の考え方

 

債権回収に必要な費用は「弁護士費用(着手金や成功報酬)+経費(弁護士の交通費など)+回収方法ごとの手数料(切手代や印紙代など)」の合計額になります。この他にも別料金が発生することがあります

法律事務所ごとに着手金や成功報酬は異なっています。成功報酬などは具体的な金額ではなく、回収した債権に対してのパーセンテージで提示している事務所の方が、どちらかというと多数派です。実際に債権について相談してみなければ、具体的な費用が見えてこないことも珍しくありません。
 
債権の回収を弁護士に相談すると、即座に回収が行われるわけではありません。回収方法と、方法ごとの必要な経費や手数料、そして弁護士費用をきちんとお話した上で担当弁護士が回収に着手します。必要であれば大体の費用で見積もりを作成することも可能です。見積もりや料金説明を聞いてから、弁護士に費用倒れについて意見を求めることもできます。
 
費用倒れの可能性がある場合は、弁護士の方から費用倒れの危険性を指摘してもらえるというメリットがあります。また、費用倒れにならない回収方法を弁護士から提案してもらえるというメリットもあります。
 

 

■メリット④債権回収がスムーズ

 
自分で債権を回収をしようとすると、当然ですが報酬を支払う側であるクライアントと自分自身が直接やり取りしなければいけません。フリーランスのクライアントは、多くの場合は企業です。自分という「個人」が企業という「大きな存在」とやり取りすることは、それだけで時間的な負担や精神的なストレスも多くなります。また、相手は企業ということもあり、どうしても個人であるフリーランスは不利な立場に立たされてしまうことが考えられます。だからこそ、フリーランスの債権回収は弁護士に相談するメリットがあります。
 
また弁護士は企業とのやり取りにも慣れています。債権回収の知識も豊富なので、不利な立場に立たされることもありません。報酬の支払いを渋っている企業とのやり取りに専門家が介入することで、相手に心理的な圧迫感を与えることもできます。相手の出方によって必要な方策を講じ、依頼者に対して即座に提案することも可能です。弁護士が間に入ることで、よりスムーズに債権の回収をはかることができるというメリットがあります。
 

■メリット⑤法的な対策とフォロー

 
弁護士に相談することによって、今後の未払い報酬への対策についてもアドバイスを受けることができます。いつも似たようなタイプの依頼や同じクライアントからの報酬未払いが発生していないでしょうか。原稿料やデザイン料などの高額の報酬が未払い状態で放置されていないでしょうか。似たようなトラブルが多発している場合、債権回収トラブルを回避するためにも、対策を講じる必要があるのではないでしょうか。

債権回収を得意としている経験豊かな弁護士の場合、ただ回収するだけでなく「似たような案件でどのような対策が効果的だったのか」も合わせてアドバイスしてもらえるというメリットがあります。

・将来的な債権回収トラブル対策

 
フリーランスは自分で契約書や見積もりなどを作成する機会が多くなります。また、クライアントから「この内容で記名捺印して欲しい」「この内容で業務委託をしたい」と、業務委託契約のための契約書を渡される機会も多くなります。契約書に不備があると将来的な債権回収トラブルの火種になる可能性があります。
 
クライアントによってはフリーランスに不利な内容の契約書を渡すこともあるため、報酬だけでなく契約内容も含めて冷静に判断することが必要です。ただ、契約書は法的な知識がなければ、不利な内容なのか、将来的な債権回収トラブルの危険性はないのかを判断することは非常に難しいという現実があります。
 
弁護士には債権回収の相談だけでなく、フリーランスの契約書や、未払いの報酬対策を相談することも可能です。債権の回収に乗り出す必要なく、それぞれのフリーランスに合った対策でトラブルを未然に防ぐことができる。これは、フリーランスにとって大切なことではないでしょうか。弁護士とは個別の債権回収や契約対策だけ相談するのではなく、法的なブレインとして顧問契約を結ぶという方法もあります。
 
フリーランスは仕事が幅広く、仕事内容にもかなり個人差があります。だからこそ、トラブル対策をするためにもフリーランスの仕事事情を理解する法的なパートナーが必要になるのではないでしょうか。
 

■さいごに

 
フリーランスが弁護士に債権回収を依頼することには5つのメリットがあります。

仕事をしていると単価の大きな仕事をする際、自分自身が代表であり社員でもあるというフリーランスの特性上、報酬の未払いが発生しても債権回収にかかりきりになることができません。

また、1件の報酬未払いや、五月雨式に発生する報酬の未払いに対して自分自身が法律の勉強をして債権の回収に乗り出すことは、非常に難しいことであると言えます。だからこそ、債権の回収はその道の専門家に任せて、自分は仕事に専念する方が得策です。
 
債権回収を得意とする弁護士に相談すると、実際のトラブル解決のためだけでなく「今後どのようにトラブルを回避するか」についてもアドバイスを受けることができます。フリーランスだからこそ、債権回収を含めて相談することができる法的なパートナーが必要です。無料相談などを活用し、信頼のおける弁護士を探すところからはじめてみてはいかがでしょうか。