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フリーランスは立場が弱いことから報酬の未払いなどのトラブルに巻き込まれやすくなります。フリーランスは自分で身を守る強かさを持つ必要があります。
この記事では、フリーランスが報酬未払いなどに直面した際の対処法や弁護士に相談するメリットを解説します。
フリーランスの未払い・債権回収問題
フリーランスがクライアントとの間でトラブルに遭うことはめずらしくありません。令和4年の実態調査によると23%のフリーランスが報酬未払いなどのトラブルを経験したと回答しています(令和4年度フリーランス実態調査結果(内閣官房等))。
フリーランス新法とは
フリーランスを保護するための新しい法律が作られました(令和6年11月1日施行)。この法律はフリーランスと発注事業者との間の取引の適正化や就業環境の整備を目的としています。
ただし、フリーランスのすべてがこの法律による保護の対象ではありません。この法律におけるフリーランスとは、業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しないものです。
また、事業者からフリーランスへの委託取引が対象であり一般消費者との取引は除外されています。フリーランスから事業者への販売行為も業務委託ではないため対象ではありません。
フリーランス法では業務委託事業者に以下のような義務が課せられています。
・フリーランスから成果物等を受領した日から60日以内となるように報酬の支払期日を設定して支払わなければならない ・フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに受領を拒否することや、報酬の減額、返品、相場より著しく低い報酬額を不当に定めることの禁止(業務委託期間が1か月以上のもの) |
※このほかにも様々な義務があります。
違反した場合には行政指導や公表等の行政処分がなされることがあります。
フリーランスが未払いに遭った場合の対処法
フリーランスが未払いに遭遇したときには落ち着いて対処していくことが重要です。
契約内容を確認する
フリーランス法では業務委託の際に書面やメール等で取引条件を示す義務があります。報酬の額や支払期日など契約内容をチェックし、「約束した成果物を提供したか」、「請求書を発行したか」など確認してこちらに落ち度がないことを確定させます。
支払いを催促する
フリーランス側に未払いの責任がなければ発注者に問い合わせる必要があります。単なる事務処理上のミスで支払いが漏れていることもあるためていねいな対応が必要です。この段階ではメールなど普段から利用している連絡手段を使って催促します。
<関連記事>支払督促・催促メールの書き方とは?押さえておくべきポイントや例文をご紹介
督促状を送る
フリーランスからの問い合わせに回答がない場合や、いつまでたっても支払いに応じてくれない場合には督促状を発送することを検討します。相手が連絡に応じてくれない場合には内容証明郵便(配達証明付き)で請求をする方法もあります。内容証明は郵便局のサービスに過ぎませんがこちらの本気度を伝える意味があります。内容としては支払期限までに入金が確認できないときには法的手段を用いることなどを記載します。
<関連記事>【弁護士監修】支払催促状の書き方と送付方法{テンプレート付}
訴訟する
フリーランスから何度請求しても支払いに応じないときには訴訟を検討します。顧問弁護士がいれば早めに相談するようにします。60万円以下の未払いであれば少額訴訟という簡易な訴訟手続きも利用できます。
<関連記事>少額訴訟のデメリットとは?それでもすべき理由を解説
報酬未払いを予防する5つのポイント
フリーランスの未払いトラブルを防ぐには以下のようなポイントがあります。
クライアントの信頼性を確認する
フリーランスは事業規模が小さいことから特定のクライアントに依存しやすいとされます。そのため契約前にクライアントの信用を確認することがトラブル防止の基本となります。事業者のWEBサイトで事業内容などの基本情報を確認し、必要に応じて商業登記簿などで事業者の実在性、口コミサイトで事業者の評判などを確認します。
明確な支払条件の設定をする
フリーランス側と発注側とで認識にずれがあると未払いなどのトラブルの原因となります。特に仕事の内容や成果物の提出方法、時期など報酬支払いに関わる条件については明確にしておく必要があります。
<関連記事>債権回収を見越した契約書の内容と作成方法
適切な契約書を作成する
フリーランスの場合、契約書を作成しないケースも見られます。フリーランスが受注・発注いずれの場合であっても契約書を作成することは法的なトラブルを防ぐ基本です。契約書の中身も重要であり相手が用意した契約書の場合にはフリーランスに不利な内容となっていることがあります。契約書に自信がない場合には弁護士に内容のチェックを相談するなど細心の注意を払うことが必要です。
<関連記事>契約書作成におけるチェックポイントと注意事項を解説
業務上のやりとりを記録する
契約書が作成されていたとしてもメールでのやり取りで内容が具体化されたり変更されたりすることもあります。契約書以外の部分で問題があったときにフリーランスが身を守るにはクライアントとやり取りしたメールなどの記録を保存しておくことが有効です。口約束では証拠が残らないため文書に残すようにします。
エージェントサービスを活用する
フリーランスエージェントサービスはエージェントが間に入るためトラブルのリスクを減らせる可能性があります。ただし未払いの可能性は残るため必要に応じて弁護士に相談する必要があります。
債権回収を弁護士に相談すべき5つのメリット
フリーランスが弁護士に依頼するメリットには以下のようなものがあります。
仕事に専念できる
フリーランスの中には専業の方と兼業の方がいます。専業の方は自由業という働き方の特性上、経理や営業も自分自身で行うことが多いのが現状です。
弁護士に債権の回収を相談すると債権回収に必要なアクションは基本的に全て弁護士に任せることができます。督促状の送付や相手との交渉などを弁護士に行ってもらうことができます。フリーランスは自分の仕事に専念できるというメリットがあります。
専門的な回収戦略の提案をしてくれる
債権の回収手段は訴訟に限りません。債権の回収方法はいろいろありケースに応じて使い分けます。債権の状態や相手方の態度、依頼者の意向により債権の回収方法は変わります。
債権の回収方法は「裁判所を使わない方法」と「裁判所を使う方法」に大きく分かれます。裁判所を使わない方法には、「内容証明郵便による督促」や「任意交渉」などがあり、裁判所を使う方法には、「訴訟」「仮差押え」「調停」「支払督促」「強制執行」などがあります。
弁護士に相談することで適切な債権回収方法を選択できるメリットがあります。
費用倒れの心配が少ない
債権回収は費用対効果を意識することが必要です。少額の未払い報酬を回収するために多額の費用をかけることは本末転倒です。
費用倒れの可能性がある場合には弁護士から費用倒れの危険性を指摘してもらえるというメリットがあります。
<関連記事>債権回収の弁護士費用の相場とは?相談するメリットや安く抑えるコツを解説
債権回収がスムーズに行える
フリーランス自身が未払い報酬を回収する場合、クライアントと直接交渉する必要があります。フリーランスと発注事業者は対等とは限らず一般的には発注事業者の方が力を持っています。このような状況では未払いや不当な減額がなされている場合にも交渉力で差が生じやすくなります。
対等な交渉をするためには法的な根拠をもって話し合いに臨む必要があります。弁護士であればフリーランス法など各種法令を根拠に相手方と対等に交渉できるというメリットがあります。
包括的な法的サポートをしてくれる
フリーランスが本業に専念するためには弁護士と顧問契約することが有効です。債権回収の相談だけではなく契約書の作成などトラブル防止のためにいつでも相談できることが大きなメリットです。
顧問弁護士というと大企業をイメージするかもしれませんが実際に必要なのは中小企業やフリーランスです。大きな企業では法務部が設置されているため法的な問題を自社で処理できますが、フリーランスは法的な問題に限らず専門業務をアウトソーシングせざるをえません。しかし問題が起きてから弁護士に依頼しても後手に回り不利益が生じやすくなります。
顧問弁護士がいることで困ったときにいつでも相談できるというメリットがあります。
<関連記事>顧問弁護士とは?役割や弁護士との違いを解説
まとめ
・フリーランスが未払い等のトラブルを経験することが多いためフリーランス法が施行されています。発注事業者には一定期間内の報酬支払いなどが義務付けられています。
・フリーランスが未払いにあったときには契約内容を確認した上で督促を行っていきます。支払いに応じないときには訴訟も検討します。
・報酬未払いの予防には適切な契約書の作成や相手とのやり取りの記録を残すことが効果的です。
・債権回収を弁護士に依頼するメリットは本業に専念できることが挙げられます。
・フリーランスが顧問弁護士を雇うメリットは日ごろから法的なサポートを受けられるため法務部を設置したような効果があることです。
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