友人間の借金は人間関係もあるため催促しにくいという特徴があります。ですが借金を返済しないのであれば友人の側に問題があるため遠慮する必要はありません。

友人の中には借金の踏み倒しを考えている人もいるかもしれません。時間がたつとうやむやになり、より催促をしにくくなるからです。借金には時効もあるため注意が必要です。

 

この記事では、友人に貸した借金について取り戻す方法を法的手段も含めて解説していきます。

 

借金を踏み倒す友人への催促方法

友人関係でなければ相手に気をつかわずに催促していけます。ですが相手が友人であるときには今後の関係も意識する必要があります。相手の事情にも配慮しながら必要なことを伝えていきます。

 

メール・電話等で連絡をする

友人であることを意識しすぎて催促をまったくしないのはよくありません。返済されない理由はいろいろであり、友人が単に借金のことを忘れているだけのことや、返済日はまだ先だと思っていることもあります。

このような思い違いの場合、放置しているとかえって人間関係がぎくしゃくする原因となってしまいます。借金のことを忘れているケースでは、適切に催促しないとかえって友人に迷惑をかけてしまうこともあります。借金のことをすっかり忘れてお金を使ってしまい、返済が難しくなってしまうことがあるからです。

 

相手が大切な友人ほど借金の催促はしっかり行うことが大切です。

催促の方法もいろいろありますが、相手が借金や返済日を忘れているだけのこともあるため、はじめは借金のことを忘れている前提で催促した方がいいでしょう。

 

具体的には、メールや電話など普段連絡している方法で催促していきます。

内容として、「自分もお金に困っている」ことを伝えると角が立ちにくくなります。

すぐに返済できないということであれば返済期日を提案し、その日までに返済してもらう約束をしてもらうことが大切です。返済日があいまいだと同じことが繰り返されてしまいます。

 

内容証明郵便を送る

借金の返済を催促してもまったく支払ってもらえないことがあります。たとえ友人であってもお金の問題をうやむやにするのはよくありません。

友人にも事情はあるかもしれませんが貸主にも事情があります。約束は守ることが必要ですし、友人だからこそ約束を守らせることも大切なことです。特に金額が大きいのであれば毅然とした態度をとることも必要です。

 

電話やメールで借金の返済を催促しても効果がないときには郵便で催促していきます。普通の郵便でも返済してもらえないときには次の段階に進みます。

 

郵便局のサービスに「内容証明郵便」というものがあります。これは誰から誰に対してどのような内容の文書を送ったかを証明してくれるものです。借金の催促をしたことが証拠として残ります。

そのため、友人に与えるプレッシャーも大きくなるので返済してもらえる可能性が高くなります。

 

内容証明郵便については、「内容証明郵便を出す方法や費用は?弁護士に依頼するメリットも解説」をご覧ください。

 

返してもらえないときは法的手段をとる

内容証明郵便を送っても借金を返済してくれないときは、法的手段を考えていきます。

法的手段といっても裁判(訴訟)だけではありません。

他にも「支払督促」や「民事調停」といった手続きがあります。訴訟にも種類があり、少額訴訟という手続きであれば手続きが簡易であり1日で裁判が終わります。

 

<関連記事>少額訴訟の費用相場は?費用倒れを回避する方法も解説

 

返済能力があるのにお金を返さない友人への対応

友人が借金の踏み倒しを考えているのであれば法的な手続きをとっていくことになります。

訴訟はご自分で行うのは難しいですが一人でもとれる法的手段があります。

 

支払督促

支払督促は、簡易裁判所の書記官から借金の督促状を送ってもらう手続きです。

個人による催促状とは異なり強制力があります。支払督促が無視されたら友人の財産を差し押さえることもできます。例えば、友人が利用している銀行が分かっているのであれば、預金を差し押さえることで、あなたが直接預金を受け取ることができます。

手続きは書面で行うことが可能なので訴訟よりも手軽に利用することができます。

 

デメリットとしては、友人が異議を申し立てると訴訟になってしまうことや、友人の行方が分からないときには利用できないことが挙げられます。

 

そのため、支払督促は相手の所在が分かっていて、借金自体に争いがないケースで利用を検討します。

 

<関連記事>お金を貸した相手の住所がわからない場合はどうする?住所を調べる方法とするべきこと

 

民事調停

民事調停は話し合いをする手続きです。簡易裁判所に申し立てると調停委員と呼ばれる民間人と裁判官を交えて、友人と交渉することになります。

難しい書面のやり取りなどがないため訴訟よりも利用しやすい方法です。

 

話し合いにより解決を目指す方法なので円満な解決をしやすいというメリットがあります。

ただし、借金の額が大きいときや、借金の踏み倒しの恐れがあるケースでは迅速な回収をしないと友人の財産がなくなってしまうこともあります。そのようなときは初めから訴訟を選択することも必要です。

 

話し合いがまとまると「調停調書」が作られます。これは判決書と同じ効果があるため友人が約束を破って支払ってくれないときには、友人の財産を差し押さえることができます。

 

デメリットとしては、友人が話し合いに応じる気がないときや、行方不明のときには利用できないことが挙げられます。

 

<関連記事>債権回収における民事調停とは?手続きの流れを分かりやすく解説

 

返済能力がない友人への対応

友人の財産や収入が少なくて借金の返済が難しい場合もあります。

 

資産状況を把握し、返済計画を立てる

友人の言葉だけでは本当に借金を返せないのかわかりません。借金を踏み倒すつもりで財産を隠していることもあります。まずは友人の財産の状況を確認することが必要です。生活に困っている様子がないときにはどこかに財産があるのかもしれません。ご自分で財産を調査するのが難しいときには弁護士に相談することも検討します。

 

友人の財産や収入を確認したら返済プランを考えていきます。友人にも生活があるため現実的な返済計画にすることが大切です。

 

全額返済が難しい場合、妥協案を提案する

すぐに借金を返済することが難しい場合には、ある程度妥協する必要があるかもしれません。支払期限を先延ばしにすることや、毎月無理のない範囲での分割返済などが考えられます。利息付きの場合には利息を免除してあげることで負担を軽くすることもできます。

 

友人に他にも借金があるときには「任意整理」をする方法も考えられます。任意整理により消費者金融などの利息をカットできれば、生活資金に余裕が生まれ返済しやすくなるかもしれません。

 

ただし、時間をかけすぎて友人の財産がなくなってしまったり、自己破産により借金を踏み倒されてしまったりもするので、一度弁護士に相談した方がいいかもしれません。

 

任意整理については、「任意整理とは?メリット・デメリットや費用について詳しく解説」をご参照ください。

 

個人間の借金トラブルを未然に防ぐ対策

友人や知人との間でお金の貸し借りをするときには、以下のことに注意してください。

 

借用書を作成する

友人間での借金については契約書を作らないことも多くあります。特に少額の借金については借用書がないことはめずらしくありません。

ですが借用書がないと借金があったのか分かりにくいためトラブルになりやすくなります。たとえメモ書き程度であっても署名や押印がしてあれば重要な証拠となるので、借金を踏み倒されにくくなります。

お金を貸した後であっても、現在の借金額や年月日を明記し署名などをもらうことで証拠となります。時効をリセットする効果もあるのでできるだけ書面を残すようにします。

 

<関連記事>貸したお金を返してもらうには?催促方法や対処法について詳しく解説

 

借金の進行状況を定期的にチェックする

借金の返済状況を定期的にチェックすることで完済の見通しがつきます。計画通りに返済が進んでいるか確認することで借金の残高に対する共通認識を作り、返済の有無などでトラブルになることを防ぎます。

 

弁護士に相談する

自分から強く言えないときには弁護士に代理人になってもらう方法もあります。弁護士が催促することで支払いに応じてくれることもあります。

借用書がないケースであっても間接的な証拠を元に借金の存在を証明していけることもあります。

 

借金には時効もあります。返済が遅れても友人であるため大目に見ていたら、「借金は時効により消滅しました。」などと内容証明郵便が突然送られてきて借金が踏み倒されてしまうこともあります。

借金の時効は、貸した時期などにより異なることがありますが、基本的に5年で時効になる可能性があります。

滞納期間が長くなっているときには早めに弁護士に相談することをおすすめします。

 

時効は期間が経過しても直ちに成立するわけではありません。

時効期間など詳しくは、「債権回収、借金には、時効がある!消滅時効とその対処方法について解説!」をご覧ください。

 

まとめ

・友人間の借金の催促は普段連絡を取り合っているメールや電話などで行うのが基本です。友人が借金の存在や返済期日を忘れているだけのこともあるからです。

・催促しても友人が返済してくれないときは借金を踏み倒される可能性があります。状況に応じて内容証明郵便も利用します。

・友人が借金の返済に応じない場合には法的手段も検討します。話し合いで解決する「民事調停」や、書面で手続きできる「支払督促」、1日で判決をもらえる「少額訴訟」などの方法があります。

借用書があると借金を証明しやすいため踏み倒されにくくなります。事後的にでも書面を作ることが有効です。

 

友人による借金の踏み倒しでお悩みなら弁護士法人東京新橋法律事務所

当事務所は借金などの債権回収に強い事務所であり実績も多数あります。

 

個人間での借金でお金を返してもらえず困っている方は一度専門の弁護士にご相談ください。

長期に渡って返済してもらえない場合には、うやむやになり借金が踏み倒されてしまう可能性が高くなります。特に高額な借金の場合には人間関係も含めて影響が大きくなります。

時効が成立したり自己破産されてしまったりすることもあるため早めにご相談ください。

 

任意整理など借金解決のご相談も受け付けております。

 

<関連記事>借金返済の相談はどこでできる?無料で借金相談ができる8つの窓口をご紹介