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仮想通貨詐欺の被害が増えています。手口はいろいろであり巧妙になっています。マッチングアプリで知り合った人から勧誘されたり、SNS上の広告を利用したりします。
この記事では仮想通貨詐欺の返金可能性を高める方法について解説します。
仮想通貨詐欺とは
仮想通貨詐欺とは、仮想通貨を名目にした投資詐欺や不正な取引のことです。SNSやLINE、アプリなどインターネットを利用することが多いという特徴があります。その手口は様々ですが以下のようなものがあります。
ICO(Initial Coin Offering)を利用したもの
ICOとは企業などがトークンを発行して行う資金調達のことです。トークンはビットコインなどの既存の仮想通貨のプラットフォームを間借りして発行する仮想通貨で独自のブロックチェーンを持っていません。新株発行による資金調達に類似します。新商品などプロジェクトへの投資を呼びかけて資金を集めますがそれが実現する前に資金を持ち逃げしてしまいます。
著名人を利用したもの
仮想通貨詐欺で最近増えている手口が著名人を利用したものです。著名人が推薦しているなどと言って信用させて仮想通貨に投資させようとします。最近ではAIにより画像や音声、動画も捏造できてしまうため被害が増えています。SNSやネット上の広告をきっかけにLINEなどのコミュニティに誘われ被害にあうケースが増えています。
偽仮想通貨アプリ
専用の仮想通貨アプリをダウンロードさせてあたかも利益が出ているかのように見せることや、アプリに個人情報を入力させて仮想通貨などを盗み出すこともあります。
仮想通貨詐欺の返金請求に必要な情報
仮想通貨詐欺にあったときは返金の可能性を高めるためにできるだけ情報を集めることが必要です。
相手の情報
仮想通貨を勧めてきた相手が何者なのか特定する必要があります。そのためには以下のような情報をできるだけ集めることが大切です。
・相手の氏名(名称)、住所 ・仮想通貨詐欺に関係するサイトの名称、アドレス ・SNS、LINEに関する情報 ・相手の口座情報 |
メールやLINE、SNS、契約書、パンフレットなどで情報をできるだけ収集します。メールやLINE、詐欺サイトなどはスクリーンショット等を利用して保存し証拠に残します。
被害に遭った日時・金額
仮想通貨の返金を求めるには自分が被害にあったことを証明することが重要です。そのため以下のような事実をできるだけ明確にします。
・被害に遭った日時 ・被害金額 ・振り込みに利用した口座情報 |
契約書など相手から交付された資料や仮想通貨を購入したことを示す通帳、相手とのメールなどから特定します。WEBサイトなどは消える恐れがあるためスクリーンショットを撮るなど証拠を残しておきます。
詐欺の手口
記憶が薄れると返金が難しくなるため被害に遭った状況が分かるようにノートなどに事実をメモしておきます。弁護士など第三者が事実を把握しやすいように時系列でまとめておきます。
仮想通貨詐欺に遭った際に返金してもらう方法
仮想通貨詐欺にあったときには落ち着いて適切な行動をとるようにしてください。冷静な判断ができない可能性があるため第三者に相談することから始めます。
専門窓口に相談する
仮想通貨詐欺に遭ったときは下記のような専門窓口に相談することが大切です。
・金融サービス利用者相談室(金融庁) ・消費者ホットライン(消費者庁) ・警察 ・投資詐欺に強い弁護士 |
仮想通貨の被害金を返金してもらうためには相手方との交渉や法的手続きが必要となります。そのため最終的には弁護士に頼ることが一般的です。ただし最近では弁護士名を利用した二次被害が問題となっています。仮想通貨の被害金を返金させると広告して着手金をだまし取る手口です。二次被害を防ぐには直接弁護士と対面して依頼することが有効とされていますが完全に被害を防げる保証はありません。仮想通貨被害の返金は容易ではないのに簡単に取り戻せると説明したり、高額な着手金を請求されたりしたときには警戒した方がいいでしょう。不安な方は着手金不要の弁護士に相談すると良いかもしれません。
弊所でも仮想通貨詐欺に遭われた方については着手金をいただいておりません。完全成功報酬制のため返金させられなかったときは1円もお支払いいただく必要がありません。
相手へ返金に関する内容証明の送付
仮想通貨詐欺の加害者の住所がわかっている場合には内容証明郵便により返金を求める方法があります。訴訟などを避けるため返金に応じることがあるからです。仮差押え等の法的手段をとる際や時効を阻止するための証拠ともなります。しかし内容証明の有効性はケースによって異なり、また個人からの送付では圧力としては不十分な面があります。内容証明を利用する際は弁護士に相談された方がいいでしょう。
相手方と直接交渉
相手方と交渉することで仮想通貨被害を返金してもらえる可能性があります。ただし被害者本人が交渉しても言い逃れされる恐れがあります。交渉する前に相手の財産の保全が必要なこともあります。なるべく交渉は専門の弁護士に依頼することをおすすめします。
民事訴訟で返還請求する
仮想通貨の被害を返金してもらえないときには訴訟を検討します。ただし相手の氏名、住所を特定できることが前提です。また相手の住所氏名を特定できたとしても財産がなければ強制執行することができません。財産があったとしても仮想通貨に変えられてしまっているようなケースでは差押えができないこともあります。訴訟が有効なケースであるか弁護士に相談することが必要です。
<関連記事>仮想通貨は差し押さえ可能?法的問題について解説
刑事告訴を行う
刑事告訴は相手方と交渉する際の材料となります。また仮想通貨等の詐欺被害については「振り込め詐欺救済法」や「被害回復給付金支給制度」により返金の可能性があります。これらは被害の申告や刑事事件としての立件が前提となります。必ず返金されるわけではありませんが選択肢の一つです。
仮想通貨詐欺で返金が困難なケース
仮想通貨詐欺は返金がされるとは限りません。特に返金が難しくなるのは以下のようなケースです。
相手との連絡が取れない
仮想通貨詐欺で返金を求めるには相手と交渉できる必要があります。そのため相手と一切連絡が取れないと返金の可能性が低くなります。連絡手段がある内に交渉を開始することが大切です。
証拠が不足している
詐欺の立証は容易ではありません。相手が詐欺を認めなければ返金に応じてもらいにくくなります。警察に被害届を提出する場合でも詐欺であるのか不明確なケースでは対応してもらえないことがあります。十分な証拠があるか弁護士に判断してもらった方がいいでしょう。
被害発生から時間が経過しすぎている
仮想通貨詐欺被害は時間が経過するほど返金が難しくなります。被害金が口座から出金されると口座を凍結させても返金できなくなるからです。証拠が散逸し詐欺の立証も難しくなり、時効が成立することもあります。被害に気づいたら早めに弁護士に相談することが大切です。
<関連記事>慰謝料の時効とは?時効の期間や中断方法など詳しく解説
仮想通貨詐欺を予防するための注意点
仮想通貨詐欺に遭わないようにするには以下の点が重要です。
「元本保証」はないことを理解する
投資全般に言えることですが得られる利益が大きくなればリスクも大きくなります。絶対に損をしない投資などあり得ません。そのため元本保証をうたって損をしないと勧誘されたときには、たとえ相手が自分の信頼する人物であったとしても疑わなければなりません。うまい話には必ず裏があります。
仮想通貨について学ぶ
投資をする際には投資対象についてよく知ることが必要です。仮想通貨の仕組みを知っていれば必ずもうかるものではなく、投資資金全額を失うリスクがあることが分かります。そのため「絶対に損はしない」と相手が言った時点で信用に値しないと判断できます。
金融庁や財務局で登録を確認する
暗号資産交換業者は金融庁、財務局への登録が必要とされます。仮想通貨交換・管理業を行いながら無登録であれば仮想通貨詐欺の可能性が高くなります。
正しい情報か確認する
投資をする際は勧誘者の表面的な言葉だけで判断すべきではありません。投資対象に問題がないかできるだけ多くの情報を集め裏付けを取り分析する必要があります。
正当な投資なのか詐欺なのかを見極めることは簡単ではありません。損失が出ることを許容できないのであれば正当な投資であっても手を出すべきではありません。
まとめ
・仮想通貨詐欺とは仮想通貨を名目にした投資詐欺や不正な取引です。新規プロジェクトなどを名目に投資させますが実体がありません。
・マッチングアプリで知り合った人やSNSでの著名人を利用した広告などから勧誘を受けることが多くなっています。専用アプリを利用して利益が出ていると思い込ませ被害発覚を遅らせる手口もあります。
・仮想通貨被害の返金可能性を高めるには証拠を集めることが重要です。
・仮想通貨詐欺では相手と連絡が取れなくなると返金の可能性が低くなります。
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