債権回収方法は状況別に選ぶことが重要!王道8つの方法

 

目次
はじめに
債権を回収する方法は色々
電話や手紙で催促!基本中の基本
話し合いで債権の返済を促す
売掛金なら商品引き上げも
債権譲渡や回収代行依頼も検討
支払督促という簡易な手続きも
少額訴訟と手形訴訟という方法
債権額によっては裁判や調停を
差押と強制執行で債権回収
まとめ

 

■はじめに

債権回収の方法は一つではありません。個人で話し合いをする方法もあります。裁判所を使う方法もあります。最終手段として強制的に返済してもらう方法もあります。方法はどれを選んでも同じというわけではありません。債権や事情に合わせて向く方法が異なるのです。また、方法ごとにメリットとデメリットがあります。債権回収の方法にお悩み中の方に、おさえておくべき債権回収方法ごとのポイントを簡単に解説いたします。

■債権を回収する方法は色々

債権回収に使える方法は10以上あります。
この中から自分に合った方法を選ぶことになるのですが、そもそも中身がわからないと選びようがありません。
わかりやすいように、「方法の中身」「メリット」「デメリット」「こんな時に使える」「こんな時には使えない」の5つに重点を置いて解説します。
簡単な方法から順番に見ていきましょう。
後半に行くほど専門的な法知識が必要であり、かつ、回収方法として強力なものになります。

■電話や手紙で催促!基本中の基本

自分でできる最も基本的な債権回収方法です。電話や手紙(ハガキ)で相手方に返済を促します。
メリットは、本当に返済日をうっかり忘れているだけかもしれない相手に対して効果を見込めることと、もっと強力な回収手段の前段階として使えるというところ。
そして、相手に心理的なプレッシャーを与えるというところです。
何時もはきちんと返済してくれている人であれば「お忘れではないですか?」という電話一本がとても効果的です。平和的に回収できそうな先から平和的に回収する方法が手紙や電話での催促なのです。
一般的に返済の催促には内容証明郵便を使います。
自分の名前で通知してもいいですが、相手が無視する可能性がある場合や、誠実ではない態度を見せたことのある場合は、この段階で弁護士に相談して、弁護士事務所と担当弁護士の名前入りで送付することも検討するのが良いと考えます。
個人名で送るよりも債務者にプレッシャーを与えることができます。
内容証明郵便は時効の中断にも使えます。最終的に法的な手続きでの解決も視野に入れるのであれば、弁護士に相談してから内容証明郵便を送るといいでしょう。
デメリットは、相手に電話や手紙で催促したからといって必ずしも返済してもらえるわけではないというところと、手紙や電話だけでは法的な効力がないというところです。
前述した時効中断に使え、裁判上で証拠として使えるかどうかくらいです。
手紙や電話で促したからと言って相手が払ってくれるとは限りません。
連絡を無視し続けている相手には無駄足になってしまうこともあるでしょう。
手紙や電話で催促しても応じないだろうとわかっている相手に対しては、
最初からもっと強力な回収手段を用いることを検討する必要があります。

■話し合いで債権の返済を促す

債務者と直接話し合って返済を促す方法です。
債務者と債権者が二人きりで話すのもいいですし、弁護士に同席してもらうのもいいでしょう。
主に話し合で返済に応じてくれそうな相手に対して使える方法です。
また、返済には応じるつもりはあるけれど一括返済は苦しいなどの事情がある場合に、事情に合った返済方法を決める時にも有効な方法です。
面と向かって話すことで、電話や手紙よりもより債権回収に向けて前向きな意見交換が期待できます。弁護士に同席してもらうことによって精神的なプレッシャーも与えることができます。
直接顔を合わせて話し合って、合意内容を契約書にまとめることも可能です。
電話口での催促では相手が返済に応じる言葉を口にしたとしても、それはあくまで口約束です。
話し合いの中で、合意内容を紙に記すことができる、弁護士に契約書をすぐに作成してもらえる、双方の納得する方法を弁護士に提示してもらえるというメリットがあります。
また、相手方が同意するのであれば、分割払いの約束をとりまとめて公正証書の雛形を作成するということも可能です。要件を満たした公正証書はいざという時に強制執行をすることができるのです。
債権者と債務者が直接話すのですから、電話口ではできなかった話もできることでしょう。
電話や手紙での催促と同じで、話し合いをしただけでは法的な強制力はないというデメリットがあります。ずっと連絡を無視している債務者に返済を促す効果も期待できません。
電話や手紙と同じで、返済に応じる気のある債務者に対して使える方法になります。

■売掛金なら商品引き上げも

商品を納入したのに商品代金を支払ってもらえないという場合に使える方法です。
100個の商品代100万円の売掛金が期日に入金されず、返済も渋られている。そんな時は商品自体を「返してもらいます」引き上げてしまうこの方法も使えます。
ただし、売掛金を払ってもらえないからといって勝手に商品を相手企業の倉庫から持ち出しては駄目です。正当な理由があったとしても、これでは窃盗という犯罪になってしまいます。
商品の引き上げをするためには、基本的に相手の同意が必要になります。
商品を債権者側の会社に留保しているのであれば、債務者立会いのもとで「引き上げますよ、いいですね」「わかりました」と合意を確認し、同意書を作成します。
商品の留保がないのであれば、契約解除をしてから合意を確認し、書類を交わす流れが基本です。
つまり、この商品引き上げという方法は、売掛金未払いの債務者側と債権者との合意があってこそ使える方法なのです。
もしくは、事前に引き上げについての内容を契約書に盛り込んでおくことが必要になります。
メリットは、債権を商品という形で返してもらうことができるという点です。
デメリットは、基本的に債権者と債務者の合意がないと使えないという点です。
合意が得られない状態で商品引き上げをする場合は、裁判所に仮処分を求めることになります。
同意を得られる可能性が高いとしても「言った」「言わない」でトラブルになることもあります。トラブル防止のためにも、まずは弁護士に相談するのがいいでしょう。

■債権譲渡や回収代行依頼も検討

債権譲渡は、債権を誰かに譲り渡してしまう方法です。売却を含みます。
債権回収代行業者などに債権を売却することにより、面倒な貸し借りの関係から抜け出すことができます。譲渡してしまえば、譲渡された先が新たな債権者になります。
回収が面倒だという場合に債権を売却して代金を得ることにより、回収と同様の効果を得ることができます。債権関係から抜け出せることと、素早くお金を得ることができることがメリットです。 
デメリットは、必ず債権を買い取ってもらえるわけではないということと、
手数料負担があるため債権額が目減りしてしまうという点です。
100万円の債権回収が目的で譲渡(売却)しても、100万円満額が手元に来ることはまずありません。何割か目減りすることは覚悟しなければいけません。
自分で債権回収をするのが面倒なら、弁護士事務所や債権回収代行会社に回収を依頼する方法もあります。債権回収のプロに依頼することによって回収の可能性が高まるというメリットがあります。
ただしこちらも報酬や手数料が発生するというデメリットがあります。
100万円の債権を回収してもらっても、満額のプラスになるということはありません。

■支払督促という簡易な手続きも

支払督促は管轄の裁判所で手続きをして、債務者に「支払ってください」と督促をする方法です。
「それって自分で手紙を出すことと変わらないのでは?」と思うかもしれません。
支払督促は裁判所が関与しますので、効力が段違いなのです。
自分で通知するよりも効力が高い分、債権回収の可能性が上がるということです。
支払督促は債務者を審尋せずに行われるため、裁判所を使う方法の中では簡単な方法であるといえます。そのわりに効果は強力で、送達から2週間が経過すると債務名義(強制執行に必要な公文書)に化けるというメリットがあります。

訴訟や調停以外で強制執行のために必要な債務名義を短期で取得できるというメリットは、
債権者には有り難いものです。債務者に「裁判所から通知が来た!」「無視したら強制執行される!」という心理的なプレッシャーも与えることができますから、相手が支払督促で揺さぶりをかけたことで返済に応じてくれそうな場合には良い方法です。
しかし、支払督促は債務者から異議の申し立てがあれば、異議の限度で失効してしまうというデメリットがあります。債務者の異議申し立て後は通常の訴訟に移行してしまうというデメリットもあります。高確率で異議申し立てがあると考えられる場合は、支払督促ではなく別の手段で回収を検討する方が賢明です。
参照 http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_04_02_13/ 

■少額訴訟と手形訴訟という方法

少額訴訟とは、訴額が60万円以下の場合にしか使えない超短期決戦訴訟のことです。
一期日で訴訟を終結させ、その日のうちに判決が出るという通常の訴訟にはないスピード感のある訴訟なのです。もちろん少額訴訟の判決も法的に強力なものです。
相手が返済に応じず訴額が小さいのであれば、通常の訴訟ではなく少額訴訟で決着をつけるメリットがあります。
ただし前述した通り、訴額が60万円以下の場合にしか使えません。
貸金業者が訴訟を乱発することを防ぐために、同一裁判所では年に10回までしか使えないという制約もあります。
ただ、一般の人は年に何度も訴訟をすることはないでしょうから、使用制限はほとんどデメリットにならないことでしょう。貸したお金の額が小さく、訴訟費用もおさえたい。一期日で白黒はっきりさせたいという時に良い方法です。
手形訴訟とは、「手形の券面の記載はしっかりしているのに、支払いがない」などの場合に申立てができる訴訟です。こちらは手形専用の超短期決戦の訴訟です。

手形の支払いがないという案件において、のんびり訴訟をしていると不渡りを出しかねません。だからこそ短期で決着をつけ、強制執行に移ることができるようになっています。
手形の支払いが絡むのであれば、メリットのある債権回収方法であるといえるでしょう。
ただし、手形訴訟にもデメリットがあります。
それは、手形が絡めばとにかく手形訴訟を提起できるというわけではないということです。
基本は「手形はちゃんとしているのに支払いがない!」といった、「支払ってください」という手形トラブルが対象です。使い道が限定されるというデメリットがあります。
また、手形訴訟では証拠が制限され、反訴ができないというデメリットもあります。短期で決着をつけるのだから、手のかかる証拠調べや裁判手続きはやめてくださいということです。
少額訴訟や手形訴訟は早期に決着をつける方法ではあるのですが、決着がつくことと債権の回収ができるかは別問題です。通常の訴訟の方がいいという場合もありますので、弁護士によく相談した方が安全です。
参照 http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_04_02_02/
http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/minji4/dai3_1/ 

■債権額によっては裁判や調停を

裁判や調停といった方法は、債権回収方法の中でもイメージしやすいものではないでしょうか。どちらも裁判所を使う方法です。
裁判は双方が証拠を提出し、最終的に裁判官の判決をもらいます。調停は両当事者や弁護士、裁判官、調停委員が参加し、話し合いによって解決を図る方法です。
判決はもちろん、調停の話し合い結果をまとめた調停調書にもとても強い力があります。
メリットはなんといっても、判決や調停調書をもらうことができるという点です。
債権の成立自体で争っているのであれば、督促をするよりもいきなり訴訟で決着をつけてしまう方がスムーズに進む可能性が高いです。
債権の回収を望めるだけでなく、その債権の法的なトラブルも解決が可能だというメリットがあります。また、判決や調停調書は強い力を持ち、強制執行をするために必要な債務名義になります。
相手と揉めていて、白黒はっきりつけたい時には、裁判や調停で決着をつけることがいいでしょう。
デメリットは、時間がかかることと、費用がかかること。
それから、必ず債権を回収できるとは限らないということです。
 
訴訟にも調停にも相応に時間がかかります。
時間がかかるからこそ、短期決戦に向く少額訴訟などの別手続きが存在します。
諍いの内容によっては年単位の時間がかかることも覚悟しなければいけません。
もちろんその分だけ訴訟費用と弁護士費用が必要になります。
しかも、時間と費用をかけたからといって、必ず債権を回収できる保証はありません。
債権者Aと債務者Bが訴訟で争い、Aの言い分を認める「AはBに1,000万円支払なさい」という判決が出たとします。裁判所は判決を出すだけで、取り立てはしてくれないのです。
Aはこの判決文を使って強制執行などの方法を用い、自分で取り立てをしなければいけないのです。
判決や調停調書をもらったイコール債権回収成功というわけではありません。
これも一つのデメリットです。
参照 http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_01_01/
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_04_02_10/ 

■差押と強制執行で債権回収

裁判所で手続きをすることで相手の財産をおさえ、強制的に回収する方法です。

債権回収の方法の中では、まさに最終手段ともいえる方法が強制執行です。
貸し借りの契約書があればすぐにできるというわけではなく、債務名義という名の公文書あるいは担保設定、条件を満たした公正証書などが必要になります。
債務名義とは確定判決などで、担保権とは抵当権の設定などをいいます。
契約書があるからすぐに財産をおさえて強制的に回収できるのではなく、こういった強制執行に必要な書類や権利があってはじめて強制執行が可能です。強力な回収方法だからこそ厳しいのです。
メリットは、相手の同意に関わらず強制的に債権を回収できるというところです。
執行を邪魔することは犯罪に該当します。相手がいかに「絶対に返さない」「強制執行はさせない」と言い張っていても回収が可能です。
デメリットは、債務名義の取得などの条件を満たしていなければ使えないという点と、強制執行にも費用が必要であり、債権満額の回収は難しいという点です。
強制執行は法的な深い知識が必要な回収方法です。
経験豊かな弁護士に依頼し、債権回収の確実性を高めるのがいいでしょう。
参照 http://www.courts.go.jp/saiban/qa_minzi/qa_minzi_19/
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_02_01/ 

■まとめ

このように、債権回収にはいくつもの方法があります。
「どれでもいい」「費用が安く済むのが一番」ではなく、自分に合った方法であることが重要なのです。また、「回収する」という目的を主に手段を決めることが大切です。
手段を決めることが大切とはいっても、具体的に自分の債権にどんな方法が合っているのかを見極めるのは、法的知識だけでなく債権回収の経験も豊富でないと難しいことなのです。
まずは弁護士に相談し、現状で選択すべき最良の方法を検討しましょう。

回収方法の中には極めて専門的な知識を必要とするものもあります。
弁護士に依頼することによって、回収の可能性をアップさせることができます。迅速な相談と行動、そして自分にぴったりの方法をセレクトすることが債権回収成功のポイントなのです。

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