債権回収方法には種類があります。債権額や延滞の理由などにより柔軟に回収方法を変える必要があります。状況に合わない回収方法を選択すると相手との関係が悪くなり債権の回収に支障が出たり、法的な手段をためらったために債務者の経済状況が悪くなり回収が難しくなったりすることもあります。

 

この記事の目的は、代表的な7つの債権回収方法を示すことで状況に応じた適切な債権回収方法を選べるようにすることです。

 

債権回収とは

債権回収とは、約束の期日を過ぎても支払いがなされない場合に、債権を実現させようとする行為のことです。債権回収は適切な時期に適切な方法で行う必要があります。債権には時効があるため長期間放置すると請求する権利を失うこともあります。時効まで期間が十分にあったとしても時間の経過とともに債務者の経済状況が悪化すれば債権回収が難しくなります。そのため、適切な債権回収方法を適切な時期に実施するため債権管理が重要となります。

 

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債権回収の方法

債権回収方法には種類があり状況によって使い分けます。代表的な債権回収方法は以下の7種類です。

 

電話や面会での催促

支払いが遅れている理由を知ることが必要です。そのためには電話やメール、訪問などによりすぐに状況を確認できる方法が効果的です。滞納の原因が事務処理上の問題に過ぎなければ問題は解決します。資金繰りなどが原因で支払いが遅れているのであれば返済可能日を確認することが必要です。期限が不明確であると次の債権回収方法に移ることが難しくなります。

 

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内容証明郵便での督促

電話や訪問での催促が効果的でなかったり連絡がつかなかったりするときには文書により催促を行う必要があります。通常の催促状を送付しても支払いに応じてもらえない場合には、内容証明郵便を利用する債権回収方法もあります。どのような文書を送付したか証拠として残るため相手に与えるプレッシャーが大きく支払いに応じてもらえることがあります。特に弁護士から送付すると効果的です。

 

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民事調停手続

債権回収方法として裁判所の調停手続きを利用する方法もあります。調停室で非公開により話し合いがなされます。相手が話し合いに応じてくれないと利用できませんが、合意がまとまると自ら支払いに応じてくれることも多いです。仮に約束を守ってもらえなかったときには作成された調停調書をもとに強制執行により債権回収する方法もあります。

 

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支払督促

支払督促は裁判所書記官から債務者に支払いを命じる書面を送付してもらう債権回収方法です。書類審査のみなので比較的簡単な方法です。相手は異議を出すことができますが異議が出されなければ相手の財産を差し押さえて債権回収することができます。異議が出されると訴訟になってしまうことがデメリットです。

 

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通常訴訟

訴訟は法的手段による債権回収方法として最も一般的なものといえます。権利そのものを争っているなど複雑なケースでは時間がかかることも多いですが、相手が出頭しないなど争ってこないケースでは比較的早く判決を出してもらうことができます。また、話し合いで解決することも多く和解で終了することもあります。和解で終了しても和解調書は判決書と同等の効果があるため強制執行により債権回収する方法もあります。

 

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少額訴訟

少額訴訟は60万円以下の金銭債権の場合に選択できる簡易な債権回収方法です。原則として1日で審理が終わり判決もその日に出してもらう方法です。

 

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強制執行

裁判で勝ったとしても相手が素直に支払ってくれないこともあります。そのような場合には債権回収方法として相手の財産から強制的に回収する必要があります。強制執行は不動産や自動車、宝飾品、商品などの財産を差し押さえて売却し代金などから債権回収する方法です。預金や給料、売掛金などの金銭債権も差し押さえできます。金銭債権の場合には売却の必要がないため強制執行の手間が少ない方法といえます。

 

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債権回収を弁護士に依頼するメリット

債権回収方法として弁護士に依頼する方法があります。債権回収を自力で行うことも不可能ではありませんが弁護士に依頼すると効率的な債権回収が期待できます。

 

相手にプレッシャーをかけられる

債権者自身が支払いを請求してもなかなか支払ってくれなかったり、開き直って催促を無視されたりすることもあります。たとえ法的手段を予告したとしても本気にしてもらいにくいのが現実です。しかし、弁護士が債権回収の交渉に乗り出すと法的手段にリアリティが生まれるため相手が支払いや話し合いに応じてくれることがあります。

 

事情に合った回収方法を提案してもらえる

債権回収方法にはさまざまなものがありケースや状況によって適切な方法が変わります。弁護士に依頼すれば相談を受けたケースに応じて最適な回収方法を選択し実行することが可能です。

 

回収手続きを一任できる

債権回収は法人であっても個人であっても大変であり労力や時間がとてもかかります。心理的なストレスも大きく、本業や生活に支障が出ることもあります。相手との交渉、催促状の作成、法的手段をとる際の必要書類の作成や法的に意味のある証拠集めと選別、差し押さえ候補となる財産調査、裁判所での手続きや強制執行する際の執行官との打ち合わせなどやるべきことが多くあります。

弁護士に債権回収を依頼することで面倒な手続きを任せることができます。

 

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まとめ

・債権回収とは、期日に支払いがない場合における債権を実現するための行為です。

債権回収方法には種類があり状況に応じて使い分けることが必要です。任意の支払いを促す方法、裁判所を利用する方法、裁判所を利用しても調停や和解のように話し合いで解決する方法もあります。

・債権回収方法として弁護士に依頼するメリットは、面倒な手続きを代行してもらえることや現実的な債権回収方法を提案してもらえることなどがあります。

 

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