アプリを利用した課金サービスが増加していますが決済方法も多様化しており未収金トラブルも増加しています。
この記事ではアプリ内課金における未収金トラブルを防ぐ対策法を紹介していきます。

アプリ内課金とは

アプリ内課金とはアプリの中で直接コンテンツや追加オプションを販売する仕組みのことです。「有料アプリ」との違いですが、有料アプリはダウンロードや利用そのものに料金が発生する点が異なります。有料アプリであってもアプリ内でコンテンツや追加オプションを販売しているのであればアプリ内課金も併用していることになります。

アプリにはスマートフォンアプリやパソコン用アプリなどがあります。最近ではマルチプラットフォーム対応のアプリが増えているため同じアプリをスマホとパソコンで利用することも増えています。クラウドサービス型アプリ(ASP、SaaS)もその一種といえます。

アプリ内課金の種類

アプリ内のコンテンツや追加オプションへの課金の方法としては4つのタイプがあります。

消耗型

消耗型は使用すると消費されてなくなってしまう課金タイプです。必要に応じて再購入が可能なものです。
例えば、ゲームアプリにおける仮想通貨や消費アイテムの購入があります。スマホのデータチャージ(ギガ購入)も同じ仕組みといえます。

非消耗型

非消耗型は一度課金すれば無期限で利用することのできる課金タイプです。
例えば、電子書籍や音楽のダウンロード販売が代表的です。専用アプリからコンテンツを購入することで半永久的に利用可能なものです。

自動更新型サブスクリプション

定額料金を支払うことで一定期間利用できるサービスをサブスクリプションといいます。自動更新型は一度課金すれば自動で契約が更新され続ける課金タイプです。
例えば、動画配信サービスや電子書籍の読み放題サービス、家電等のレンタルサービスがあります。毎月または1年毎など定額料金が自動で発生します。課金を終わらせるには利用者から解約する必要があります。

非自動更新型サブスクリプション

非自動更新型は定められた期間内はコンテンツの利用が可能であるものの期間経過後は利用ができなくなるものです。利用を継続するにはユーザーが再度課金する必要があります。
例えば、レンタル式の動画や書籍サービスがあります。

 

アプリ内のコンテンツやオプションを購入する際の決済方法にも種類があります。
スマホアプリの場合にはアプリのダウンロード場所を提供するAppleやGoogle(プラットフォーマー)の決済システムを利用する方法と、自社サイトなどに誘導し決済する方法(アプリ外課金)があります。
Appleの場合、自社の決済システムの利用を事実上強制していましたが、一部コンテンツについてアウトリンクの設置を認めたためプラットフォーマー以外の決済システムを利用可能となりました。今後もアプリでの課金について決済方法が多様化することが考えられます。

スマホアプリ以外のクラウドサービス型アプリ等であれば決済方法に制限はないためユーザーのニーズに合わせて自由に導入可能です。

クレジットカード決済を導入する

未収金のリスクを軽減する代表的な方法としてクレジットカード決済の導入が挙げられます。アプリでの課金による未収金の発生についてもクレジットカード払いを利用してもらえれば回収リスクを減らすことが可能です。

クレジットカードはカード会社が利用者に代わって支払いをしてくれるものであり、督促業務に煩わされることや未回収の心配が少ないのです。
もっとも不正利用に対しては注意が必要です。カードユーザーが不正利用などを理由にカード会社に対し支払いについて異議を申し立てると返金手続き(チャージバック)が行われることがあります。その結果アプリ事業者に損失が生じることになります。
また、アプリを利用する人がすべてクレジットカード決済を利用しているわけではないことにも留意すべきです。
したがって決済方法としてクレジットカード決済に限定してしまうと潜在的な顧客を取り逃してしまうこともあります。
特に企業間取引においては掛取引が一般的であり企業向けアプリについては口座振替など後払い方式の採用が重要となります。

クレジットカード決済の導入は顧客のニーズに応えることによる売上アップを主目的とし、未収金リスクに対しては回収の効率性をあげていくことが大切です。

<関連記事>コンビニ決済で未払いが発生した際の回収方法とポイントを解説

代金回収&売掛金督促代行サービスを利用する

代金回収、売掛金督促代行サービスとは、商品やサービス提供による代金を自社に代わって集金してもらえるサービスです。決済代行タイプと債権回収タイプに分けることができます。

決済代行サービス(請求代行サービス)

請求書の発行など債権管理業務は件数が多くなるほど人的ミスが発生しやすくなるため専門業者に任せてしまう方が安全です。

アプリ内課金の場合、多くの顧客がいることを前提に時間やコストを掛けずに回収を行う効率性が求められます。

特に継続課金(サブスクリプション)においては売上額が顧客ごとに毎月固定されているため入金管理は単純なものが多いですが顧客数が多くなりやすく効率的に請求業務を行わなければなりません。

決済代行サービスのなかには債権保証をしてくれるものもあります。取引の際に与信管理を代行してもらい審査を通過したものについては顧客からの入金がなかったとしても事業者は支払いを受けられるのです。
ただし、保証の限度額が設けられているなど万能ではないことに注意が必要です。

債権回収代行サービス

売掛金の請求代行についてはあくまで請求書の送付などを代行してくれるだけであり支払いに応じない債務者から本格的に回収してくれるものではありません。

債権の回収は原則として弁護士にしか認められていないからです。
つまり、与信管理や請求書の発行など基本的な債権管理については代行業者に任せることができ業務の効率化を図ることができますが、期日が過ぎても支払いに応じない顧客に対しては弁護士に依頼することが必要なのです。

このように請求代行と弁護士による回収との2つのサービスを併用することが大切です。

<関連記事>売掛金は回収代行業者を利用して効率的に回収!回収代行サービスを使うメリット、デメリットを説明

まとめ

・アプリ課金での決済方法が多様化しており未収金のリスクが高まっています。
・アプリ課金での未収金リスクは決済方法により変わります。クレジットカード決済の導入が対策法として有効です。
決済代行サービスは請求業務などを効率化できますが、支払いに応じない債務者から回収するには弁護士に依頼する必要があります。

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